2022 Fiscal Year Annual Research Report
Optimization of Branched Polyglycerin Bearing Intermediate Water for Blood Compatible Material Surfaces
Publicly Offered Research
Project Area | Aquatic Functional Materials: Creation of New Materials Science for Environment-Friendly and Active Functions |
Project/Area Number |
22H04545
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
大谷 亨 神戸大学, 工学研究科, 教授 (10301201)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 血液適合性 / グリセロール / 水の構造 / デンドリマー / ポリマーブラシ / 中間水 / タンパク質 / 水和 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、分子構造と分子量に分布のない血液適合性枝分かれ状分子(ハイパーブランチポリグリセロール(HPG)及びポリグリセロールデンドリマー(PGD))に着目し、枝分かれ度の違いと化学修飾を通じて水の構造を定量的に変化させ、水の構造と分子構造パラメータとの相関性を明らかにする。その上で、血液適合性の指標となるタンパク質吸着及び細胞接着を評価し、水の構造と血液適合性との関連性を明らかにすることで、独自の血液適合性材料としての学術的根拠を得ることを目的とした。完全分岐構造のPGDと不完全分岐構造のHPGの二分子を比較することで分岐性の違いを評価した。近年生体適合性の獲得に重要とされている中間水の存在を証明し,PGD, HPGどちらも既存の生体適合性ポリマーの中間水量よりも有意に多いことを見出した。一方,不棟水量はPGDの方がHPGより多く,立体構造の違いが不棟水の違いに反映されることを明らかにした。さらに,HPGのラジカル重合条件を見出し、これを金基板表面グラフト重合へ適用した。新奇重合体の化学構造と水和構造及び血液適合性の関連性を考察するため、化学構造の異なるモノマーを調製した。具体的には,グリセロールデンドロンメタクリレート ,メトキシ化グリセロールメタクリレート,グリセロールメタクリレート およびポリエチレングリコールメタクリレートを調製し,表面開始原子移動ラジカル重合によって基板にポリマーブラシとして修飾し,表面物性を解析した。それぞれのポリマーの水和構造を示差走査熱量測定から、血中タンパク質吸着を水晶振動子マイクロバランス法から評価した。その結果,化学構造に依らず0.05 g/g程度の中間水を有するポリマーブラシ修飾表面が,いずれも血漿タンパク質の吸着を抑制することを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
HPG, PGDにおける中間水の存在を証明し、これと生体適合性の指標となるタンパク質吸着を評価し、水の構造と生体適合性との関連性を考察した。この内容は研究計画に示した内容を概ね網羅していることから、おおむね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、中間水を有し、かつ不凍水を有するHPGの特徴に着目し、HPGをベースとした水圏機能材料して、ゲルやフイルムの作製と評価を進め、生体適合性材料としての可能性を追求する予定です。
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