2022 Fiscal Year Annual Research Report
Control of icephobicity of designed poly(substituted methylene)s with carboxylic acid side chains
Publicly Offered Research
Project Area | Aquatic Functional Materials: Creation of New Materials Science for Environment-Friendly and Active Functions |
Project/Area Number |
22H04546
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
松本 拓也 神戸大学, 工学研究科, 講師 (70758078)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ポリ置換メチレン / 着氷性 / 表面 / イオンコンプレックス |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請研究では,側鎖にカルボン酸を有するポリ置換メチレンと固体状態の氷の相互作用に着目し,高分子鎖の主鎖の運動性が高分子表面での分子鎖と氷の水分子との相互作用を理解し,氷接着との相関を明らかにしていくことを目的としている。氷と高分子の分子的な相互作用について,高分子の側鎖のカルボン酸を利用し,高分子材料と水の相互作用の調和と制御から凝集状態を最適化することで,高分子表面の疎氷性制御だけでなく,基礎的な分子レベルでの挙動を解明する。 今年度は,側鎖にカルボン酸分量を制御したポリ置換メチレンの吸湿特性や凍結過程の熱量評価を行った。結果,側鎖のカルボン酸分率に依存した各物性挙動が観測できたとともに,同じカルボン酸分率のポリアクリル酸と比較すると,ポリ置換メチレンでは,水分子とのより高い親和性が明らかとなった。 さらに,側鎖カルボン酸を有することから,ポリアミンとのイオンコンプレックス化を検討した。ポリ置換メチレンのイオンコンプレックス化に成功するとともに,イオンコンプレックス化による凝集が確認できた。一方で,ポリアクリル酸のイオンコンプレックスでは,ゲル状態となった。ポリ置換メチレンのイオンコンプレックスでは,より強いイオン間相互作用が発現したことから凝集したと考えられた。 今年度の研究成果として,国内の学会誌に解説1報を投稿して発表している。また学術会議で1件の招待講演,1件の口頭発表と1件のポスター発表にて成果を報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,各学術会議での成果報告をしており,十分な研究成果を挙げている。さらに,当初計画していたポリ置換メチレンの水分子との相互作用評価や凍結過程の詳細な評価を達成し,ポリイオンコンプレックスの形成まで達成したことから,おおむね順調に進展しているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,引き続き側鎖にカルボン酸を有するポリ置換メチレンと水分子との相互御作用の詳細な評価やそのポリイオンコンプレックスの評価を進める。さらに,凍結時の評価としてラマン分光評価を凍結過程で評価することで,氷の形成時の様子を明らかにする。 次年度が最終年度であることから,これまでの研究成果をまとめ,学術論文誌にて成果発表していく。
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