2022 Fiscal Year Annual Research Report
Relationship between the Hydration Behaviors and the DDS Functions of Dendrimers with various terminal groups
Publicly Offered Research
Project Area | Aquatic Functional Materials: Creation of New Materials Science for Environment-Friendly and Active Functions |
Project/Area Number |
22H04556
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
児島 千恵 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 准教授 (50405346)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 水和 / ドラッグデリバリー / デンドリマー / 温度応答性 / ポリエチレングリコール |
Outline of Annual Research Achievements |
DDSのナノキャリアは、水中で、標的以外の細胞とは相互作用せず、標的細胞とは相互作用するという、相反する機能を兼ね備えることが求められる。申請者は血中滞留性を示すポリエチレングリコール(PEG)修飾デンドリマーと加温によって細胞との相互作用を変化することができる温度応答性デンドリマーを合成し、DDS材料として利用してきた。本研究では、PEG修飾デンドリマーと温度応答性デンドリマーをDDSナノキャリアのモデルとして用い、これらの水和挙動とそれぞれの機能との相関について、明らかにする。 PEG修飾デンドリマーについて、今年度は、様々なPEG修飾デンドリマーを合成し、様々な含水率で示査走査熱量測定(DSC測定)や赤外分光測定を行い、水和挙動を調べた。また、XRD測定も行って、PEGとPEG修飾デンドリマーとの比較も行った。さらに、デンドリマーの末端へのPEG量によって水和状態が変化することが分かった。また、PEG鎖長、世代数の異なる様々なPEG修飾デンドリマーを合成し、水和状態や体内動態、抗PEG抗体の産生量について検討し、構造と機能との相関を明らかにした。 一方、温度応答性デンドリマーについては、温度・pH応答性を示すフェニルアラニンを修飾したアニオン性末端デンドリマーを用いると、従来デリバリーが難しかったT細胞の内部にデリバリーできることを示した。また、Pheの結合数によって、温度・pH応答性やT細胞への取り込み能が変化することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画通りに研究を遂行することができ、成果を学会や論文として発表できた。
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Strategy for Future Research Activity |
PEG修飾デンドリマーおよび温度応答性デンドリマーの水和挙動とそれぞれの機能との相関について、以下の通りに明らかにすることを目指す。 1)PEG修飾デンドリマーに関する研究について:PEG鎖長、PEG結合数、デンドリマー世代数が異なる様々なPEG修飾デンドリマーを網羅的に合成し、これらの粒径や表面電荷を動的光散乱法(DLS)で調べる。領域内の先生方との共同研究によって様々な含水率で示査走査熱量測定(DSC測定)や赤外分光法などによって水の結晶状態や中間水の状態について詳細な解析を行う。 2)温度応答性デンドリマーに関する研究について:温度応答性デンドリマーには加温によって白濁するLCST型、冷却によって白濁するUCST型など様々な種類がある。PEG修飾デンドリマーでの知見を参考にして、温度応答性デンドリマーの水和状態と機能との相関を得るとともに、新たな機能・用途の開拓を行う。
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