2023 Fiscal Year Annual Research Report
Study of correlated metals in quasicrystals
Publicly Offered Research
Project Area | Hypermaterials: Inovation of materials scinece in hyper space |
Project/Area Number |
22H04603
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
酒井 志朗 国立研究開発法人理化学研究所, 創発物性科学研究センター, 上級研究員 (80506733)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 準結晶 / 超伝導 / ハイパーユニフォーミティ |
Outline of Annual Research Achievements |
準結晶超伝導体について、岡山大、大阪大、パリ・サクレー大との国際共同研究を行い、超伝導電流の空間分布を初めて理論的に明らかにした。周期結晶においては超伝導電流は空間的に一様に流れるが、準結晶においては非一様に流れる。つまり、各位置での流入量と流出量を一致させながらも超伝導電流が多く流れる場所と少ししか流れない場所ができると考えられるが、その詳細な空間構造は不明であった。我々は、典型的な2次元準周期(準結晶)構造の一つであるAmmann-Beenker構造上で電子間に引力を入れた理論模型を考え、超伝導状態の超伝導電流を平均場近似の範囲で数値計算した。その結果、局所的に逆向きに流れる超伝導電流や絶対零度まで残り続ける常磁性電流など、周期格子上の超伝導体では見られない異常な振る舞いを見出した。また、局所的超伝導電流量の大小と局所的な電荷密度や超伝導秩序変数との関係を見出した。これらの結果は、準結晶超伝導体の基本的性質を明らかにした点で重要である。 また、ハイパーユニフォーミティについて東京工業大学との共同研究を行い、ハイパーユニフォーミティ秩序計量を精度良く計算する方法を開発し、様々な周期・準周期格子に適用した。その結果、ハイパーユニフォーミティ秩序計量が格子の対称性を反映し、対称性の高いものほど小さな値になる(規則性が高いことを示す)という直感と合う結果を得た。ここで開発した方法は密度分布へも適用可能であり、今後準結晶上の電子状態を解析していく際にも有用である。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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