2022 Fiscal Year Annual Research Report
応力下における蓄電固体デバイス材料の反応形態のオペランド定量解析
Publicly Offered Research
Project Area | Science on Interfacial Ion Dynamics for Solid State Ionics Devices |
Project/Area Number |
22H04605
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
木村 勇太 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (60774081)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 応力 / 反応形態 |
Outline of Annual Research Achievements |
蓄電固体デバイスは、構成部材が全て固体であるため、電極材料の酸化還元に伴う膨張・収縮などにより、構成材間の界面に大きな応力が発生することが想定される。このようにして発生した応力は、構成材料の基礎特性を、大きく変化させることが次第に明らかになりつつある。しかしながら、応力が蓄電固体デバイス材料の基礎特性に与える影響を評価することは困難であり、それゆえ、応力と材料の基礎特性の間の関係に対する理解は遅れていた。このような背景のもと、本課題では、応力が材料の反応形態に及ぼす影響を明らかにすることを目的として研究を行っている。当該年度においては、固体電解質基板との界面において充放電時の体積変化が拘束されたFe2(MoO4)3 (FMO)薄膜の、充放電時の反応形態を、オペランド放射光XRD測定によって評価した。その結果、比較的自由に体積変化ができる有機電解液中では、二相共存反応により充放電が進行することが報告されている同材料が、体積変化が拘束された固体電解質上では、固溶反応的な挙動を示すことが明らかになった。これは、応力が材料の反応形態にも大きな影響を及ぼすことを示唆している。そこで、外的な応力によって材料の反応形態が変化することを説明するための熱力学モデルを構築した。さらに、応力下でのFMOの反応形態をシミュレートするためのフェーズフィールド計算プログラムを作成した。これにより、FMOの二相反応は、二相界面間に生じるひずみによっても抑制されうることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、(1)応力下でのオペランド放射光計測と電気化学測定による、応力が反応形態へ及ぼす影響の実験的評価、(2)Phase-field法による応力下での充放電時の反応形態のシミュレーション、(3)高度計測班との連携研究、の3つを柱として進める。当該年度においては、(1)を行い、Fe2(MoO4)3 (FMO)薄膜の充放電時の反応形態が、体積変化が拘束された固体電解質上では、固溶反応的な挙動を示すことを明らかにした。この成果は、2022電気化学秋季大会において発表した。また、(2)を行うためのフェーズフィールド計算プログラムを作成した。さらに、(3)高度計測班との連携により、対象試料のマイクロXAFS計測を行った。以上のように、本研究は概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、材料に加わる外的応力の大きさを制御できる四点曲げ機構を有するジグの開発を行い、制御された応力下でのオペランド放射光計測と電気化学測定を行うことで、応力の影響を定量的に評価していく予定である。また、当該年度に開発した。フェーズフィールド計算プログラムを用いて計算を行うことで、応力が材料の反応形態に及ぼす影響を調べていく。以上の研究により、応力が蓄電固体デバイス材料の反応形態に及ぼす影響を定量的に理解するとともに、応力が反応形態に影響を及ぼすメカニズムを明らかにしていく予定である。
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Research Products
(1 results)