2023 Fiscal Year Annual Research Report
固体電解質/ナノカーボン界面でのLi挿入脱離機構解明と新機能創出
Publicly Offered Research
Project Area | Science on Interfacial Ion Dynamics for Solid State Ionics Devices |
Project/Area Number |
22H04610
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
乗松 航 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (30409669)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | グラフェン / 固体電解質 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、固体電解質とグラフェンやカーボンナノチューブなどのナノカーボン材料を負極モデル界面として、Li挿入脱離機構を明らかにし、新機能を創出することを目指して研究を行ってきた。固体電解質としては、リン酸リチウムオキシナイトライドガラスを、負極としては乱層を含む多層グラフェンと高密度カーボンナノチューブ膜を用いることとした。1年目の実験結果として、乱層を含む多層グラフェン試料を用いたサイクリックボルタンメトリー測定の結果、多数の酸化還元ピークが見られた。これらが、乱層構造に特有のステージ構造変化に対応する可能性があると考え、当該年度には電気化学測定を行いながらのその場X線回折測定に集中的に取り組んだ。 まず、グラフェン層数を直接調べるために、透過型電子顕微鏡観察を行った。その結果、大部分が4~6層であり、一部には20層程度が存在することがわかった。続いて、大気非暴露・Arガスフロー雰囲気中でのその場X線回折測定を行った。実験の結果、各電位において、グラファイトの層間距離であるd = 0.335 nmに対応するシャープな回折ピークが最も強く、LiC_6のd = 0.37 nmに対応する明瞭なピークは見られなかった。一方で、それら以外にいくつかの興味深い特徴が見られた。充電に伴い、d = 0.35および0.40 nmの層間距離に対応するブロードなピークが見られた。また、SiCに由来する回折ピーク以外にも、帰属の不明なd = 0.48 nm付近に強いピークが見られた。これらの結果は、乱層を含む多層グラフェンでは、一般的なAB積層グラファイトとは異なる層間距離を持つ状態が存在することを示唆している。特に、LiC_6のd = 0.37 nmよりも大きい0.40 nmの回折ピークの存在は、より多くのLiが挿入されていることを示唆している。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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