2023 Fiscal Year Annual Research Report
結晶/非晶質界面を制御した高リチウムイオン伝導性蓄電固体材料の液相合成
Publicly Offered Research
Project Area | Science on Interfacial Ion Dynamics for Solid State Ionics Devices |
Project/Area Number |
22H04614
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
引間 和浩 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50845617)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 全固体リチウムイオン二次電池 / 液相合成 / 硫化物系固体電解質 / 結晶 / 非晶質 / 表面解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、領域内での高度解析や計算科学との連携により界面構造と電気化学特性の相関を明らかにして、高いLiイオン伝導性などの優れた電気化学特性を有する硫化物系固体電解質を得ることを目的としている。2023年度は、①液相加振法で作製したLi2S-P2S5-LiI系固体電解質の結晶/非晶質界面や粒子表面解析、②溶液法によるLi10GeP2S12固体電解質の合成を行った。 ①について、液相加振法で合成したLi7P2S8I固体電解質を、TEM観察によりその局所構造を解析した。また、粒子表面状態をX線光電子分光法、PDF解析、中性子全散乱実験により解析した。その結果、Li7P2S8I固体電解質は、Li4PS4I, LiI, Li10P3S12Iなどのナノ結晶とアモルファス領域で主に構成されており、結晶成分のみではイオン伝導経路を形成せず、アモルファス領域と結晶領域の両方が高いイオン伝導性に寄与していることが分かった。また、液相加振法で合成した試料から検出された有機溶媒由来の表面層は、リチウム負極に対する高い安定性の要因の1つであると推測された。以上より、粒子表面状態を効果的に活用することで、より優れた硫化物固体電解質の開発が可能になることを明らかにした。 ②について、過剰の硫黄とアセトニトリル、テトラヒドロフラン、エタノールの混合溶媒を用いた溶液合成法により、最速の合成時間である7.5時間でLi10GeP2S12固体電解質を合成した。1.6×10-3 S cm-1のイオン伝導度を示し、これまでの液相合成した試料の中で最も高いイオン伝導度を示した。本溶液法により、Li10GeP2S12固体電解質を迅速に合成可能であることが分かった。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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