2022 Fiscal Year Annual Research Report
オペランドX線反射率法を用いた蓄電固体界面反応層形成機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Science on Interfacial Ion Dynamics for Solid State Ionics Devices |
Project/Area Number |
22H04616
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
山本 健太郎 奈良女子大学, 工学系, 准教授 (90755456)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 固・固界面 / 界面反応層 / X線反射率法 / オペランド測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は全固体電池における正極/固体電解質の界面構造の分析のためのオペランドX線反射率法をPt/Li1+xAlxTi2-x(PO4)3(LATP)モデル界面に対して適用し、高電位保持状態における界面反応相の成長過程の分析を行なった。高電位保持前の初期状態において得られたX線反射率プロファイルの解析の結果、Pt/LATPモデル界面にはLiCoO2/LATPでは観測された数nmの膜厚の初期被膜が形成していないことが明らかとなった。4.2 V (Li+/Li基準相当)の電位保持直後に得られたX線反射率プロファイルの解析の結果、Pt /LATPモデル界面には高電位保持前の初期状態には見られなかった約1 nmの膜厚の界面反応層が形成していることが明らかとなった。その後4.2 V (Li+/Li基準相当)の電圧下で15.5 h保持した際に得られたX線反射率プロファイルの解析の結果、15.5 h保持後でも界面反応層の膜厚は約2 nmまでしか増加しなかった。同条件のLiCoO2/LATPモデル界面では数十nmまで界面反応層が増加していたことから、Pt /LATPモデル界面では界面反応層の成長速度が比較的遅いことが明らかとなった。また、Pt /LATPモデル界面に対して、4.2 V (Li+/Li基準相当)の電圧下で15.5 h保持した後、0 V (Li+/Li基準相当)の電圧下で18.3 h保持した際に高電位保持時に形成した界面反応層の構造に変化は見られなかった。このことから、Pt /LATPモデル界面に形成した界面反応層は不可逆的に形成していることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
LiCoO2/LATPモデル界面およびPt/LATPモデル界面に対し、オペランドX線反射率測定を実施し、両者の界面反応層の形成過程の違いを明らかにしている。
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Strategy for Future Research Activity |
LiCoO2/LATPモデル界面に対し、異なる電位でのオペランドX線反射率測定を実施し、界面反応層の形成速度の電位依存性を明らかにする。またLiCoO2/LATPモデル界面にコート層を導入した際に界面反応速度にどのような影響を与えるのかをオペランドX線反射率測定により明らかにする。
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