2022 Fiscal Year Annual Research Report
ピースミールクロロファジーの多様性と選択性賦与のメカニズム
Publicly Offered Research
Project Area | Multimode autophagy: Diverse pathways and selectivity |
Project/Area Number |
22H04627
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石田 宏幸 東北大学, 農学研究科, 教授 (60312625)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | オートファジー / 葉緑体 / Rubisco / 栄養リサイクル |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は以下の2項目を中心に解析を進めた。 1.葉緑体本体からのRCB 切り離しのメカニズムの解析:葉緑体の増殖に関わる分裂装置の主要な構成因子のノックアウト変異がRCB 経路に及ぼす影響についてRCBを過剰蓄積するgfs9変異体の孔辺細胞にをプラットホームに調べた。その結果、調べたいずれの葉緑体分裂装置のノックアウト変異をgfs9に導入しても、RCBは蓄積することがわかった。しかしながら、RCBの蓄積量には各変異で影響が見られ、特にarc3ではRCB量が減少した。またRCB 形成に関わる新奇因子の同定を目的に、gfs9変異体に変異原処理を行い、RCB を蓄積しないサプレッサー変異体を単離した。 2. RCB の液胞への輸送ルートの多様性の解析:RCB経路がエンドソーム経路と交差する可能性について各種オルガネラマーカーを用いて検証した。mCherry-Rha1(多胞体マーカー)は野生型では直径1マクロメートル以下の小胞に見られるのに対して、gfs9変異体では同様の構造に加えて直径数マクロメートル程度の中空のリング状の構造体にも見られた。また、mRFP-VAM3(トノプラストマーカー)も野生型では中心液胞膜に見られたが、gfs9変異体では中心液胞膜に加えてより小さい直径のリング状の構造体に見られた。gfs9変異体において一部のPBは、mCherry-Rha1あるいはmRFP-VAM3と共局在していたり、これらのマーカーでラベルされたリング状の構造体の内腔に取り囲まれている様子が観察された。この結果はこれまでのPBが中心液胞と直接融合するモデルに加えて、多胞体などのエンドソーム経路のオルガネラを経由してから中心液胞に向かうという新たな輸送経路の存在を示唆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
葉緑体本体からのRCB 切り離しのメカニズムについて、当初想定された葉緑体分裂因子が重要な枠割を担っている可能性は低いことが示唆された。今後は、順遺伝学的な解析をより一層進めて、新規因子を探索していく必要がある。一方で、RCB の液胞への輸送ルートの多様性については、gfs変異体の表現型から導かれる仮説を支持する基礎データは得られているものの新規性が高く、更なるサポートデータの蓄積が必要であり、今年度の論文公表までに至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
RCBがエンドソーム経路を経て液胞へ輸送される新規ルートのモデルを、より多角的にサポートするデータを蓄積させて、論文化を目指す。
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