2022 Fiscal Year Annual Research Report
多能性カルス細胞の周期を変調させるマスター転写因子の発現制御
Publicly Offered Research
Project Area | Intrinsic periodicity of cellular systems and its modulation as the driving force behind plant development |
Project/Area Number |
22H04713
|
Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
池内 桃子 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 特任准教授 (00633570)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | リプログラミング / ヒストンバリアント / 転写因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
植物は発生プログラムの高い可塑性を持ち、成体の体細胞から容易に多能性細胞を形成して様々な細胞種を生み出すことができる。本研究では、多能性を持った細胞が細胞周期を経て運命を転換するリプログラミング現象を、生物学的な周期を変調させる現象であると捉えて制御機構の解明に取り組んできた。本年度は、リプログラミングを効率よく引き起こすために必要なヒストンバリアントとヒストンシャペロンに着目し、細胞の分化維持機構を速やかに解除してリプログラミングを誘導する新たな仕組みについて解析を進めた。本年度に実施した遺伝子発現解析の結果、ヒストンバリアントおよびヒストンシャペロンの変異体において、多能性獲得に関わる遺伝子群のごく一部の発現が変異体で低下していることを示す結果が得られたことから、これらのエピジェネティックな制御機構が特異的な遺伝子発現制御に関わっていると考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
提案内容のうち、ヒストンバリアントとヒストンシャペロンに関する制御機構については順調に計画をすすめることができた。転写因子の移動性に関する計画内容は、やや遅れているため次年度に実験をすすめる。
|
Strategy for Future Research Activity |
ヒストンバリアントとヒストンシャペロンに関する制御機構に関しては、今後ChIP-seq なども組み合わせて多角的な解析をすすめる。また、遺伝子発現解析によって絞り込んだ候補標的遺伝子について、ヒストンバリアントとヒストンシャペロンの変異体背景で発現誘導することで表現型を回復できるかどうかを調べる。転写因子の移動性に関する計画は、移動性がないバージョンの転写因子を変異体背景で発現させた系統の表現型評価を進め、移動性の意義を検証する。
|
Research Products
(1 results)