2023 Fiscal Year Annual Research Report
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Publicly Offered Research
Project Area | Intrinsic periodicity of cellular systems and its modulation as the driving force behind plant development |
Project/Area Number |
22H04715
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
犬飼 義明 名古屋大学, 農学国際教育研究センター, 教授 (20377790)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | イネ / 側根原基 / 発生 / 可塑性 / 分子機構 |
Outline of Annual Research Achievements |
イネ科作物の側根には形態的に大きく異なる2種類の側根が存在し、土壌環境に応じてその割合を大きく変化させる。興味深いことに、途中まで一方の側根原基の発生が進行した後であっても、その後の環境変動により可塑的にもう一方の側根原基へと形態を変化させる能力を植物は有している。本研究では、形態変化を促す栽培環境下にて種々のマーカー遺伝子群の発現変動性等を精査し、側根原基形成の周期変調メカニズムの解明を目指した。 昨年度に引き続き、S型からL型側根原基への発生周期の変調過程を、1)細胞分裂位置・方向マーカー遺伝子群、2)組織特異的マーカー遺伝子群、3)L型化の鍵遺伝子群、および4)オーキシン応答性マーカーを用いて各発生過程での相違性を理解することを試みた。その結果、S型からL型へと側根原基の発生パターンを変調させた際には、まず原基全体での細胞分裂が一旦停止するとともに、オーキシンシグナルやL型側根の誘導因子であるOsWOX10の発現が原基基部側で促されることが判明した。その後、主に内皮細胞層にて発現するOsSCRの発現強度、および根冠領域で発現するOsNAC7の発現領域がそれぞれ変化し、これらの過程を経た後に細胞分裂が再活性化され、並層分裂により細胞層数が増加することで最終的にL型側根原基が完成することが明らかとなった。 側根原基が形成される種子根の直径は500μm以上あり非常に大きいため、上記の解析にあたっては、発生中の側根原基を含む種子根の横断切片を作製し観察に用いてきた。そのため、同一の側根原基を対象として発生パターンの変動は追えていないのが現状であった。これに関して、直径約150μm のL 型側根の根端を切除することでも、その近傍部位からL 型側根原基の形成を誘導できることを確認し、これにより同一原基の発生時におけるタイムラプス画像を取得することに成功した。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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