2023 Fiscal Year Annual Research Report
散漫X線散乱による動的構造解析に向けた高感度計測システムの実現
Publicly Offered Research
Project Area | Non-equilibrium-state molecular movies and their applications |
Project/Area Number |
22H04741
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
鈴木 明大 北海道大学, 電子科学研究所, 准教授 (20781850)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | X線自由電子レーザー / 溶液試料セル / 高度好熱菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、高度好熱菌 Thermus thermophilus HB27のX線自由電子レーザー(XFEL)イメージングに関する研究を中心に実施した。モデル生物のひとつであるT. thermophilusは、生化学実験にもとづき、1つの細胞に4つから5つの核様体がある倍数体細胞であると考えられてきた。本研究の目的は、XFELによってT. thermophilus HB27の内部構造をイメージングし、その倍数性を直接的に明らかにすることである。フェムト秒パルスのXFELをプローブとして用いれば、ダメージフリーで生細胞のナノスケールスナップショットが得られる。XFELイメージングの実施には、データ解析の要請で、プローブ径よりも小さな試料が求められる。通常のT. Thermophilus HB27の長さは4um程度で、日本のXFEL施設SACLAで利用できる集光ビームサイズと比較して大きいため、我々は細胞の長さを制御する新しい細胞培養方法を開発した。そして、スターチとカゼインが豊富な培地を利用することで、支配的な細胞の長さが2um程度になることを発見した。 XFEL実験では、本研究課題で開発を進めてきた溶液試料セルを用いた。SACLAに持ち込んだ半自動チップアライメント装置により、新しい方法で培養した細胞を溶液試料セルに封入し、孤立した細胞にXFELが照射した回折パターンを取得できた。そして、本データ解析用に改良したフーリエ反復アルゴリズムを回折パターンに適用することで、試料像を再構成した。再構成像には、電子密度が相対的に高いことを示す5つのイメージ強度ピークが存在し、これらは細胞内の核様体を反映していると考えられる。核様体の数はこれまでの定説と矛盾のないものであった。画像からは、それぞれの核様体がほとんどすき間なく、細胞の長さ方向に並んでいる様子が確認できた。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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