2023 Fiscal Year Annual Research Report
高速分子動画でTRPチャネルの温度センサー部位を見極める
Publicly Offered Research
Project Area | Non-equilibrium-state molecular movies and their applications |
Project/Area Number |
22H04753
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
日野 智也 鳥取大学, 工学研究科, 准教授 (40373360)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | イオンチャネル / TRPチャネル / 膜タンパク質 / 構造生物学 / 結晶構造解析 / クライオ電子顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
TRPチャネルは、脊椎動物において環境温度の感知機能を担う陽イオン選択的イオンチャネルである。これまでに、クライオ電子顕微鏡(Cryo-EM)単粒子解析やX線結晶構造解析により、多くの温度応答型TRPチャネルの立体構造が解明されてきた。しかし、熱感知機構において最も重要な温度センサー部位についてはほとんど情報が得られていない。申請者はTRPチャネルの構造生物学研究に継続的に取り組み、ヒト由来TRPV3とTRPV4の結晶化及びCryo-EMによる高分解能マップの取得に成功した。そこで本研究では「温度」と同様な物理刺激である光を受容するタンパク質の構造変化を高い時空間分解能で動画化することが可能なシリアルフェムト秒X線結晶構造解析(SFX)法に温度ジャンプ法を組み合せ、熱刺激直後に起こる構造変化を検出することによりTRPチャネルの温度センサー部位の同定を目指す。 昨年度構築したプレートスキャンシステムによる微結晶品質評価系を用い、様々なスクリーニングキットにより得られた沈殿物にX線を照射することで、新たな結晶化条件を複数見出すことができた。これらは顕微鏡下では結晶であることが判別できなかったので、本システムの有用性が確認できた。これらの結晶化条件について条件展開を実施することで単結晶を作成し、X線回折実験を行ったところ、これまでに得られていた最高分解能を大幅に上回る9.2Åの回折斑点を確認することができた。現状の品質では構造決定には至らないが、同システムを用いて脱水などの条件検討をさらに行うことでより一層の高品質が期待できる。 一方、クライオ電子顕微鏡単粒子解析により、TRPV3とTRPV4についてそれぞれ2.5Åと2.9Åの密度マップを得ることができた。TRPV3については分子モデルを作成し、温度応答機構に関与する領域の構造多型を検出した。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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