2023 Fiscal Year Annual Research Report
適応行動を司る脳の単一学習則の提案と神経基盤検証
Publicly Offered Research
Project Area | Hyper-adaptability for overcoming body-brain dysfunction: Integrated empirical and system theoretical approaches |
Project/Area Number |
22H04766
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
船水 章大 東京大学, 定量生命科学研究所, 講師 (20724397)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 学習則 / イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
脳は,単一の感覚刺激に対して複数の行動戦略を用意し,戦略を使い分ける.工学分野では,行動戦略は,経験に基づいて行動を決定するモデルフリー戦略と,感覚刺激から隠れ状態を推定し,行動を柔軟に変化させる推論戦略に区別できる.本研究課題は,モデルフリー戦略・推論戦略を駆動する「学習則」に注目した.学習則の神経基盤として,中脳のドーパミン細胞に注目し,計測を進めた. 研究代表者らは,各戦略を切り分ける行動課題「マルチタスク課題」を,他の研究課題から継続して実施した.行動課題は,頭部固定マウスをトレッドミル上に設置した.マウスは,音刺激の周波数に応じて,左右のスパウトを選択し,報酬の水を得た.マルチタスク課題は,各試行の音周波数 (低,高) を,遷移確率pで切り替えた.p=0.8とp=0.2の交互条件と連続条件で,それぞれ,マウスの状態推定戦略とモデルフリー戦略を切り分けた. 上記の行動課題時に,ファイバーバンドルイメージングで,マウスの腹側線条体のドーパミン変動を計測した.この計測で,dlight (dopamine sensor) を発現したアデノ随伴ウイルス (AAV5-CAG-dLight1.1) を,腹側線条体に注入した.また,眼窩前頭皮質 (OFC) や腹側被蓋野 (VTA) での計測も試みた.本研究は現在,線条体のドーパミン変動に注目し,計測と解析を進めている.なお,ドーパミン変動の計測は,音周波数弁別の学習時と学習後,状態遷移確率に基づく行動バイアスの学習時と学習後の,計4段階で実施した.これまでに,線条体のドーパミン変動が,各段階で異なることを発見した. なお,代表者らは,上記の行動課題時のマウスの選択行動を,人工神経回路網のRecurrent Neural Network (RNN) でモデル化している.今後,計測したドーパミン変動と,RNNの誤差学習信号との関係を検証する.脳の学習則と人工知能の関係を検証する.
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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