2023 Fiscal Year Annual Research Report
Neural mechanisms of postural stabilization based on EEG response to micro-falls during human quiet stance
Publicly Offered Research
Project Area | Hyper-adaptability for overcoming body-brain dysfunction: Integrated empirical and system theoretical approaches |
Project/Area Number |
22H04775
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
野村 泰伸 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 教授 (50283734)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 運動関連脳波 / 間欠制御 / ベータリバウンド / 姿勢制御 / バランス課題 / 内部モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本新学術領域の第1期公募研究では、間欠制御の脳内メカニズムの解明を目指し、立位床面後方移動外乱に対する健常者の立位姿勢・脳波・筋電図応答を解析した。その結果、外乱により前方転倒させられた姿勢が直立平衡姿勢に向かう回復過程で数秒間に渡って発生する立位姿勢βリバウンド(脳波β帯域事象関連同期)を世界に先駆けて同定した。本第2期研究は、この立位姿勢βリバウンドが、外乱応答時のみならず、静止立位姿勢動揺中の微小回復過程においても発生するという仮説を立て、その検証を目指した。 間欠制御モデルによれば、微小回復過程は脳が運動指令のスイッチをオフにすることを選択する時間帯なので、静止立位姿勢時にもβリバウンドが存在し、かつ、微小回復過程の発生とβリバウンドの発生のタイミングが一致することが示されれば、運動指令のスイッチをオフにすることを選択するための脳内情報処理過程がβリバウンドとして表出していることを示唆できる。昨年度は、若年健常者を研究対象として、静止立位姿勢時においても、微小回復過程の後半にβリバウンドが発生することを世界に先駆けて明らにし、その成果を国際論文誌に発表した。この結果は、個々の微小転倒-回復サイクル毎に脳による運動指令が区切られていることを意味し、立位姿勢が間欠制御によって安定化されているとする我々の仮説を支持する。 最終年度である2023年度は、静止立位姿勢時の個々の微小転倒に対する微小回復のタイミングで同定されたβリバウンドが、ジョイスティックを用いた仮想スティックバランス課題を実施する被験者の脳活動にも現れることを示した。さらに、難易度の高いスティックバランス課題の運動パフォーマンスが運動学習を通じて向上する過程を通じて、βリバウンドの強度が上がることを示した。この結果は、βリバウンドの大きさが、運動学習で獲得される内部モデルの精度を反映している可能性を示唆している。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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