2022 Fiscal Year Annual Research Report
ニューロフィードバック注意機能訓練における脱抑制回路の多様性と運動制御への寄与
Publicly Offered Research
Project Area | Hyper-adaptability for overcoming body-brain dysfunction: Integrated empirical and system theoretical approaches |
Project/Area Number |
22H04789
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
櫻田 武 成蹊大学, 理工学部, 准教授 (40588802)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ニューロフィードバック / 注意 / SSSEP / SSVEP / 個人差 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,これまで確立してきた低次感覚野活動によるニューロフィードバック技術を基盤とし,若年者や高齢者の注意機能向上に有効なテイラーメード訓練システムの提案を目指した.さらに,訓練によって獲得される(賦活される)神経回路の多様性に関するモデルの提案も試みる. 本年度においては,主に定常状態体性感覚誘発電位(SSSEP)と呼ばれる律動的脳波を利用した,身体性注意の向上を目的とするニューロフィードバック訓練を複数日(8日間)に渡って実施するとともに,注意機能向上を評価するための認知・行動評価課題も実施した. 訓練課題の一例として,左手への注意が指示されたニューロフィードバック訓練では,右体性感覚野の応答が強まる傾向が確認された.この結果は,提案システムを用いることで,目的とする感覚野の応答変調が可能であることを意味する.さらに,訓練前後に実施した評価課題においても,注意機能向上を支持する結果が確認された.例えば,GoNogo課題においては,左手に呈示されるGoシグナルに対する反応時間が短縮した.このような行動変容は,自身の脳活動をモニターしながら訓練する参加者群(Real群)において顕著に認められた. 上記のような実験データの積み重ねと並行して,SSSEP誘発に用いる振動刺激装置の改良も進めた.これまではブラシレスDCモータをアクチュエータとした自作の刺激装置を利用していたが,騒音が激しいことやモータ制御のための系が別途必要であることなど,利便性に劣る面があった.そこで,新しい振動刺激装置として,小型で制御が容易なハプティックリアクタを採用した.マイコンを用いたコンパクトな刺激装置系を実装し,これまでと同様にSSSEPが誘発可能であることが確認されたため,今後本装置を用いて実験を進めていく.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
訓練システムの実装および改良は計画通り進んでおり,健常若年者のデータ蓄積も継続的に進められている.
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Strategy for Future Research Activity |
健常若年者を対象としたデータ取得を継続して進める.これにより,提案訓練システムの有効性を実証するとともに,訓練効果の個人差(獲得する神経回路の多様性)を説明するためのモデル提案を行う.
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