2022 Fiscal Year Annual Research Report
Adaptation after loss of limb
Publicly Offered Research
Project Area | Hyper-adaptability for overcoming body-brain dysfunction: Integrated empirical and system theoretical approaches |
Project/Area Number |
22H04790
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
南部 篤 生理学研究所, 研究連携センター, 特任研究員 (80180553)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 体部位局在 / 幻肢 / サル / 運動皮質 / 感覚皮質 / 可塑性 |
Outline of Annual Research Achievements |
私たちの脳には体部位局在を示す領野、すなわち体の部位と脳の特定の小領域が1対1に対応している領野が数多くある。例えば、大脳皮質には複数の感覚運動野があり、それぞれに体部位局在が存在する。なかでも一次運動野(M1)は、ヒトと非ヒト霊長類の中心前回と中心溝の前壁に存在し、内側から外側にかけて下肢、体幹、上肢、口腔顔面領域が再現されている。また、一次体性感覚野(S1)は、中心後回に存在し、内側から外側にかけて下肢、体幹、上肢、口腔顔面領域が再現されている。体の一部が失われた際に、感覚運動皮質におけるこのような体部位局在が、どのような変化をうけるのであろうか? 幼少時に事故によって一側の上肢遠位部を失ったサルにおいて、中心前回の表面と中心溝の前壁を占めているM1の体部位局在がどのように変化したのかを調べた。健常側の大脳皮質では、M1の体部位局在は正常サルと同様であった。正常サルでは、体部位局在の左右差は認められない。一方、障害側では、手指、手根を再現していたと思われる領域が喪失しており、その代わりに断端部が再現されていた。この領域のニューロンは、断端の触診によって反応し、また低強度の皮質内微小刺激(ICMS)で断端の筋肉の収縮を誘発したた(コア領域)。したがってM1の遠位領域は、断端領域に取って代わられたことになる。口腔顔面、近位上肢、体幹、下肢領域など他の一般的なM1の体部位局在は、健常側と同じであった。低強度のICMSで運動を誘発できるコア領域は、障害側では健常側に比べて縮小していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上肢を失ったニホンザルにおいて、大脳皮質一次運動野のマッピングを行うなど、順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
マッピングするサルの頭数を増やすとともに、一次体性感覚野や高次運動野のマッピングを行う。
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