2023 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of sulfane sulfur-mediated redox regulation mechanism of metallothionein
Publicly Offered Research
Project Area | Integrated Biometal Science: Research to Explore Dynamics of Metals in Cellular System |
Project/Area Number |
22H04799
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
新開 泰弘 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (10454240)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | サルフェン硫黄 / メタロチオネイン / 亜鉛 / 分子モデリング |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度は、メタロチオネイン3(MT3)をモデルタンパク質として使用し、サルフェン硫黄のタンパク質への亜鉛の結合・遊離のメカニズムへの関与と、チオレドキシンシステムを介したレドックス制御機構の存在を明らかにした。一方、MT分子種はそのダイナミックな分子構造から、結晶構造解析が困難であることが認識されており、成功例が少ない。そこで今年度は、サルフェン硫黄を含んだMT分子種の3次元構造解析については、統合計算ソフトMOEを用いて詳細な分子モデリング解析を行った。すなわち、MT分子種に関する既存の3次元構造のデータベースを基に、システイン残基をシステインパースルフィドに変換した変異体解析を行い、サルフェン硫黄がタンパク質全体の構造に対して無理なく保持できるかを検証した。その結果、MT1、MT2、MT3のいずれにおいても、MT分子種の立体構造はサルフェン硫黄の化学修飾(20個/分子)条件下においても問題なく保たれていた。更に、MT3 の分子内に存在する特徴的なzinc/thiolateクラスター構造についても、パースルフィド型であれば維持でき、ポリスルフィド型になるとクラスター構造が維持できないことが判明した。また、サルフェン硫黄の有無におけるタンパク質の熱安定性スコア値と金属親和性スコア値をシミュレーション計算によって求めたところ、全てのシステイン残基にサルフェン硫黄がそれぞれ1つ付加したパースルフィド型のMT3が最も熱安定性が高く、亜鉛親和性も強いことが分かった。更に、サルフェン硫黄はMT1、MT2、MT3のいずれにおいても、亜鉛結合型においてのみ熱安定性を増加させ、アポ型のMT分子種においては熱安定性は反対に低下させた。以上より、サルフェン硫黄は亜鉛結合型のMTタンパク質の機能性の向上に関わっていることが示唆された。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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