2023 Fiscal Year Annual Research Report
Understanding the mechanisms underlying copper accumulation in the brain with Down syndrome
Publicly Offered Research
Project Area | Integrated Biometal Science: Research to Explore Dynamics of Metals in Cellular System |
Project/Area Number |
22H04822
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
石原 慶一 京都薬科大学, 薬学部, 准教授 (80340446)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ダウン症候群 / 生命金属 / 知的障害 / 責任遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト21番染色体が3本となり発症するダウン症 (DS) は、知的障害の代表的な原因であるが、その分子メカニズムは不明であり治療法もない。我々は、DSのマウスモデル脳における銅の蓄積を見出しており、この銅蓄積のDS知的障害への関連性について明らかにすることで新たな治療標的の提示、さらには銅吸収阻害を標的とした薬物の臨床応用を目指している。本研究課題では、DSでの銅蓄積の原因遺伝子の同定と関連分子の同定を行った。特に、初期エンドソームの破綻に起因した銅代謝異常を想定した解析を行った。 DSモデルマウス脳での銅蓄積責任遺伝子の同定を目指して、種々の染色体改変動物の作製を行った。これまでに、責任遺伝子を70から17遺伝子にまで絞り込めており、本研究課題においては、これらの機能に着目した“狙い撃ちによる同定”と従来の領域欠失マウスを用いた“責任領域の絞り込み”の2通りの方法での戦略を並行して行った。まず、初期エンドソームが銅トランスポーターの膜局在を調節していることが最近示唆されたことから、候補17遺伝子のうち初期エンドソーム関連分子Dscr3に着目し、本遺伝子のみを正常コピー数に戻したDSモデルマウスの脳での銅蓄積改善について検討したが、Dscr3のみが2コピーとなったDSモデルマウスの脳でも銅蓄積が認められた。すなわち、本遺伝子の3コピー化は銅蓄積の原因でないことを明らかとした。また、責任領域の絞り込み法では、さらに2種類の領域欠失変異体を作製し、5遺伝子にまで絞り込めた。さらに、DSモデルマウス脳での銅蓄積を低銅食投与により改善し、認知機能異常の改善を試みたところ、DSモデルマウスの認知機能障害を部分的に改善した。以上の結果から、DS脳での銅蓄積を基盤とした認知機能障害の可能性が示唆され、DS知的障害の治療標的として銅恒常性破綻が有望であると期待された。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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