2022 Fiscal Year Annual Research Report
微生物が駆動し、ヒトと環境を繋ぐセレノダイナミクス
Publicly Offered Research
Project Area | Integrated Biometal Science: Research to Explore Dynamics of Metals in Cellular System |
Project/Area Number |
22H04823
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
三原 久明 立命館大学, 生命科学部, 教授 (30324693)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | セレン / 微生物 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. セレノシュガー資化性微生物のスクリーニングとゲノム解析 セレノシュガー(SeSug)の分解産物であるメタンセレニン酸(MSeIA)に着目し、MSeIA資化性細菌の単離を試みた。MSeIAの分解・資化性細菌は、自然界に存在する優占的な有機セレン化合物の分解経路をも明らかにできる可能性を秘めている。MSeIAは細菌に毒性を示したため、資化性菌の単離には至っていないが、耐性菌を得ることに成功した。また、MSeIAの類縁体であるメタンスルフィン酸(MSIA)を分解して生育するMSIA資化性細菌4株を単離し、現在、ゲノム解析やMSIA資化経路の解明を目指して調査を進めている。MSeIAの分解・資化性細菌のスクリーニングも継続している。
2. TMSe資化に関与する遺伝子クラスターの同定と細胞・分子機能解析 TMSe資化能を有するAminobacter属の新種2株の分離に成功し、TMSe存在下で誘導されるタンパク質を同定したところ、新奇メチル基転移酵素(TmsA)を発見した。本酵素はテトラヒドロ葉酸 (THF) を補酵素とし、またC1化合物資化経路に繋がるメチレンTHF還元酵素、2つの転写因子、膜輸送体をコードする4つの遺伝子と遺伝子クラスターを形成し、メガプラスミド上に位置していた。TMSe資化能を持たないAminobacter aminovorans基準株に本遺伝子クラスター構成遺伝子を導入したところ、TMSe資化能が付与のされたことから、本遺伝子クラスターがTMSe資化能を担うことが示された。さらに、Aminobacter sp. IBT3-m3株からTmsA遺伝子を大腸菌に導入し、N末端Hisタグ融合タンパク質として大量発現させ、精製した。TmsAのメチル基転移活性を調べるために、TMSを含むメチル化合物を基質として反応させ、THFの減少と5-メチル-THFの生成を定量することで測定した。TmsAは2量体を形成し、DmdAと異なる系統群を形成することが分かった。また、基質結合部位にも違いがあり、TmsAは狭い基質結合ポケットを形成すると予測された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
MSeIA耐性菌の単離に成功するとともに、これまで報告の無いMSIA資化性菌の単離に成功した。TMSe資化性遺伝子クラスターの同定にも成功し、概ね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画に沿って研究を遂行する。MSeIA資化性菌のスクリーニングを継続するとともに、SeSugを用いたスクリーニングも開始する。
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Research Products
(11 results)