2023 Fiscal Year Annual Research Report
蛍光動的消光測定による生細胞内RNA立体構造の情報物理解析
Publicly Offered Research
Project Area | Information physics of living matters |
Project/Area Number |
22H04826
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
北村 朗 北海道大学, 先端生命科学研究院, 講師 (10580152)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | RNA / 蛍光相関分光法 / 熱力学的安定性 / 生細胞イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
生体分子の一つであるRNAの立体構造を生きた細胞内で測定・解析可能な刑を構築し,分子の構造安定性や構造変化を明らかにするために,RNAの特殊構造としてグアニン四重鎖 (G-quadruplex, 以下Gq)に着目した.この生細胞内立体構造を,RNAに標識したシアニン蛍光色素の光異性化状態の変化(蛍光ブリンキングの速度変化として計測される)を読みだすための新規手法を開発し,この結果は前年度,核酸科学・分子生物学で著名なNucleic Acids Reaserch誌に掲載された.この成果を得る過程で,RNA鎖中に最大二個のGqが形成されうる配列では,5'に標識した蛍光色素の光異性化では検出感度が鈍ることが分かっていた.そこでRNA鎖中に蛍光標識を行い,その光異性化を介して立体構造形成が識別できることを検証した.この解析過程で,自己相関関数の非線形カーブフィッティングの精度を高める検討を行った.その結果,多成分解析の精度の向上には更なる統計的推定法の利用が必要なことが分かったが,分子数の推定精度を上げることに成功した.分子数精度の向上はブリンキング状態の推定精度向上につながることから,重要な検証内容であると言える.以上の構築系を利用し解析することで,試験管の中では温度を上昇させて変性させたのち,温度低下させて形成されるGq構造が,生細胞内では温度上昇を伴わずに形成されていることが示唆された. また,緑色蛍光タンパク質GFPが粘性に応答して蛍光寿命が短くなることにより,細胞内クラウディングの情報物理的指標になることを発見した報告を投稿中であったが,Scientific Reports誌に受理された.
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(14 results)