2022 Fiscal Year Annual Research Report
Neural mechanism of cortical computation in the primate
Publicly Offered Research
Project Area | Information physics of living matters |
Project/Area Number |
22H04832
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山田 洋 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (70453115)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 脳 / 計算 / 神経細胞 / 集団 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳の神経細胞は、複数の細胞種から構成される神経回路上での情報伝達によりその機能が実現される。しかし、従来の計測技術では時間解像度と空間解像度を同時に高めることが難しかったため、計算の機能単位と推測される局所回路の活動は十分に捉えられていない。その結果、局所回路の演算様式は根本的問題として不明のまま残されている。 2年計画の1年目の本年は、これまでに実施してきた予備的研究を軌道に乗せるために、研究を本格的に始動した。具体的には、数理モデルの開発を行った。また、このモデルの適用に必要な実験データを取得し、モデルの検討を行った。モデルの検討の結果次の成果を得た。 新規モデルの検討は神経集団ダイナミクス解析法を用いて行った。この際、神経活動の修飾要因のダイナミクスに特異的に注目して解析する手法を新たに開発した。開発したモデルは、特に、連続変数とカテゴリー変数の両者を説明する統合的なモデルとして、一般線形回帰モデルをベースとし、幅広い実験データに対応可能なモデル構築を実現した。従来の研究では、限られた使用条件でモデルを用いる事はできたが、制限少なくモデルを利用することは難しかった。今回の新規モデル開発では、この点に留意して問題を解決することで、幅広いデータに対応する事を可能とした。 現在、出版のために論文誌への投稿を行っており、来年度の採択を目指す。この手法が広く普及すれば、今後更に神経集団ダイナミクス解析のユーザーの増加が見込まれ、より普遍的な知見の構築に繋がる事が期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は以下の2点を達成した。 1)神経細胞集団が担う計算の仕組み:工学で用いられる状態空間解析を用いるダイナミクス解析において、神経細胞集団の活動の時間ダイナミクスを取り出す解析方法を改良した。現在、論文としてリバイスを行っている所である。 2)新規高密度プローブ電極の記録データをサルから6回取得した。今年度は、記録法の確立と共に、データの記録条件について検討を行う。 このように、計画は順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は以下の2点の達成を目指す。 1)神経細胞集団が担う計算の仕組み:現在、リバイスを行っている論文を出版する。 2)新規高密度プローブ電極の記録データの記録条件について検討を行う。特に、記録状態の安定性や状態の維持度合いについて、検討を進める。 この2点を達成を目指すことで格段の進展を得る。
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Research Products
(1 results)