2023 Fiscal Year Annual Research Report
生態系構成因子であるウイルスの”生態機能”を全RNA解析と箱庭実験で究明する
Publicly Offered Research
Project Area | Post-Koch Ecology: The next-era microbial ecology that elucidates the super-terrestrial organism system |
Project/Area Number |
22H04879
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
浦山 俊一 筑波大学, 生命環境系, 助教 (50736220)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | RNAウイルス / 持続型 / 菌類ウイルス / 生態 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、①圃場から分離した糸状菌―RNAウイルスセットのうち、環境中での動態が確認でき、特徴的な動態を示すものについてウイルス機能を解析すること、および②宿主を殺さないRNAウイルスの宿主集団内保持率変動要因の洗い出し、の2点を重要なポイントと位置付けている。 最終年度は、①と②それぞれについて、十分な進展が得られた。①については、新たに確立した宿主糸状菌―RNAウイルスペアについて、実験材料を確立し、これを用いたRNAウイルスの影響解析を進めた。その結果、高温条件下では当該RNAウイルスが高頻度に宿主糸状菌から失われること、さらに、中温域では当該RNAウイルスにより宿主糸状菌の生育が、ウイルス治癒株と比較して抑制されていることが明らかになった。これらのラボ内実験で得られた結果を用い、経時的なメタトランスクリプトームデータに基づくこれら宿主糸状菌とRNAウイルスの環境動態の解釈を試みたところ、大まかな年間動態の半分以上を上記の現象で説明できることを見出した。経時的なメタトランスクリプトームデータに基づく宿主糸状菌とRNAウイルスの環境動態を解明したことはそれ単体でもこれまでにない大きな進捗と言えるが、今年度の成果はそれをさらに押し上げ、初めて解明された環境動態の背景にあるメカニズムに迫る成果と言える。②については、主に論文執筆とその過程で必要となったデータの取得等を進めた。これについては当初の目論見通りの成果が得られており、重要なマイルストーンに位置づけられる成果につながるものと考えている。 また、培養技術に依存しないRNAウイルス探索も本研究では土壌を中心に行ってきたが、高温酸性泉を対象とした解析では、極めて新規性の高いRNAウイルスの発見につながった。当該RNAウイルスは、現在定義されている2つのRNAウイルス界の中間的な特徴を有しており、新たな第三の界を形成する可能性が示唆されている。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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