2023 Fiscal Year Annual Research Report
ライブ顕微イメージングを通した海生真菌類の多様性と表現型可塑性の研究
Publicly Offered Research
Project Area | Post-Koch Ecology: The next-era microbial ecology that elucidates the super-terrestrial organism system |
Project/Area Number |
22H04884
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
五島 剛太 名古屋大学, 理学研究科, 教授 (20447840)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 海洋微生物 |
Outline of Annual Research Achievements |
海には多様な真菌類(糸状菌、酵母)が生息しているが、同じ微生物のバクテリアと比べても、生態系は全く掴めていないのが現状である。さらに最近、実験所の前の海で採集した黒色酵母数種について、増殖表現型に可塑性があることを発見した。これまで実験室でプレート培養し記載されてきた成長や分裂の様式は、再検討が必要となった。 今年度は、初年度に引き続き、海水、泥、生物片などから真菌類のサンプリングを行い、これまでの累積で100を超える株を得た。黒色酵母の同定不能種NU30とNU200については、培養後にDNAを抽出し、次世代シークエンサーを用いて全ゲノム配列を決定した。系統樹解析の結果、両種はDothideomycetes綱に属する未記載種であることがわかった(Kurita et al. 2023; 栗田 & 五島. 2023)。また、ライブセルイメージングにより、細胞密度に応じて成長・分裂モードを変換する種も探索したところ、5種では変換が認められ、いずれもDothideomycetes綱に分類された。2種については同様の変換が培地の種類を変えることでも見られた。一方、細胞密度を変化させても成長・分裂モードが変換しにくい変異体を得たので、変異部位を突き止めたところ、真菌類に広く保存された転写因子に変異が認められた。コードするタンパク質は細胞内では予想通り核に局在していた。黒色酵母は周辺の環境を感知し、そのシグナルが細胞内で伝達され、最終的に遺伝子発現プロファイルを変えることにより表現型を大きく変えることが示唆された。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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