2023 Fiscal Year Annual Research Report
Assessment of the impact of invasive alien species on the terrestrial and aquatic ecosystems of Amami and Okinawa and its countermeasures
Publicly Offered Research
Project Area | Integrated Sciences for Sustainable Human-Aqua Environment |
Project/Area Number |
22H05240
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
富永 篤 琉球大学, 教育学部, 教授 (60452968)
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Project Period (FY) |
2022-06-16 – 2024-03-31
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Keywords | 外来種 / 駆除手法 / 影響調査 / ウシガエル |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、ウシガエルの移動分散能力の推定の調査を行った。ラジオテレメトリを用いた方法では、ウシガエルの成体、亜成体に発信機を取り付け、週2-3回の頻度で最長4か月を追跡した。推定された行動圏面積は、55-7123平方メートルで、成体、亜成体は定住性が高いことが示唆された。一方で、近隣唯一の繁殖場所から直線距離で、800mほど離れた山地の渓流で変態後間もないと思われるサイズの幼体が捕獲されたことから、先行研究でも示唆されている通り、本種の分布や拡散能力には、変態後間もない段階での幼体の分散が大きく寄与していることが示唆される。また、SNP解析を用いた集団遺伝解析で日本全国62地点(そのうち沖縄県は21地点)と韓国2地点からの合計192個体を用いた。MIG-seqでライブラリを作成し、NovaSeqで配列を得た。アダプター配列除去後、約1800SNPsを用いて、STRUCTURE、PCAなどの解析をした結果、その結果、日本と韓国のウシガエルは3グループに区分された。日本本土と韓国のサンプルは一つのグループに含まれたのに対し、沖縄諸島のウシガエルは地域個体群間に遺伝的な違いが確認された。そのうち伊平屋島個体群は日本本土と同一グループに含まれたのに対し、大宜味は他のどれとも異なるグループを構成し、本部+うるま+沖縄市+久米島が一つのグループにまとまった。沖縄のウシガエルだけが、独特の遺伝構造をもつ理由は不明だが、起原が異なる可能性、小集団で維持されてきて遺伝的浮動が強く影響した可能性などが考えられる。また、水生昆虫の保全のためにウシガエルの地域的な除去を続けている調査地では顕著な水生昆虫の増加が確認された。オオフサモの根絶実験では、新たに小さな群落が形成されていたために除去を行った。今後、駆除前後での昆虫相の比較を再度行う予定である。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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