2022 Fiscal Year Annual Research Report
くりこみ群に基づくテンソルネットワークにおける時空の創発の研究
Publicly Offered Research
Project Area | The Natural Laws of Extreme Universe--A New Paradigm for Spacetime and Matter from Quantum Information |
Project/Area Number |
22H05253
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
土屋 麻人 静岡大学, 理学部, 教授 (20294150)
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Project Period (FY) |
2022-06-16 – 2024-03-31
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Keywords | テンソルネットワーク / cMERA / 厳密くりこみ群 |
Outline of Annual Research Achievements |
MERAやHaPPYコードやランダムテンソルネットワークなどのテンソルネットワーク模型におけるネットワークは、境界上の理論から量子エンタングルメントを通じて創発した離散的な空間であると解釈されるため、これらの模型は時空の創発の研究において重要である。ここで、連続的な空間の創発を得るためには、連続的なテンソルネットワーク模型を構築する必要があると考えられる。MERAの連続版であるcMERAは、自由場の理論の場合には変分法を用いて構成することができるが、ゲージ重力対応の観点からは、強結合の相互作用がある場の理論について、cMERAを構成することが望まれる。しかし、変分法によるアプローチは試行関数の選択の面から困難である。MERAにおけるネットワークの階層はくりこみ群のスケールと解釈され、ゲージ重力対応においてはこれがバルクの方向に対応することから、cMERAの構成は波動汎関数のスケール依存性を得ることと等価であると考えられる。また、厳密くりこみ群はくりこみ群の非摂動論的な定式化として知られる。このような背景のもと2022年度は、スカラー場の理論の基底状態の波動汎関数に対する厳密くりこみ群方程式を導出した。さらに、摂動の1次までで、この方程式が実際に成立していることを確認した。ここで導出したくりこみ群方程式によって、非摂動論的に波動汎関数のスケール依存性を決定できて、連続的なテンソルネットワーク模型を構成できると期待される。これから、量子エンタングルメントを通して、連続的な時空の幾何を導出したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
波動汎関数に対する厳密くりこみ群の導出に成功したことから、連続的な時空を場の量子論のテンソルネットワークから得るという最終的な目標に対する基礎が整ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
テンソルくりこみ群とくりこみ群の関係を確立し、格子上の場の理論のテンソルネットワークから連続極限をとることによって連続的なテンソルネットワーク模型を得る。2022年度の研究成果と合わせて、場の量子論から得られる連続的なテンソルネットワーク模型から、量子エンタングルメントを通して連続的な時空を導出する。
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[Presentation] Renormalization group and cMERA2022
Author(s)
Asato Tsuchiya
Organizer
Corfu Summer Institute 2022, Workshop on Noncommutative and Generalized Geometry in String Theory, Gauge Theory and Related Physical Models
Int'l Joint Research / Invited
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