2023 Fiscal Year Annual Research Report
Study of novel quantum many-body phenomena originating from non-ergodicity in isolated quantum systems
Publicly Offered Research
Project Area | The Natural Laws of Extreme Universe--A New Paradigm for Spacetime and Matter from Quantum Information |
Project/Area Number |
22H05268
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
國見 昌哉 東京理科大学, 理学部第一部物理学科, 助教 (00844820)
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Project Period (FY) |
2022-06-16 – 2024-03-31
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Keywords | 孤立量子系 / 固有状態熱化仮説 / 非エルゴード系 / 冷却原子系 / 量子シミュレーター / Rydberg原子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は量子多体傷跡状態(Quantum many-body scar state)についての研究を行った。量子多体傷跡状態とは、非可積分系で現れる特別な固有状態であり、この状態の存在により適切に初期状態を選ぶと例えばperfect revivalと呼ばれる現象が起き、熱平衡化が起きないということが起きる。本研究では通常の状況では量子多体傷跡状態が存在しないBose-Hubbard模型に対し、3個の粒子が同時に同じサイトを占有しないという拘束条件を課すことで量子多体傷跡状態が厳密に構成できることを示し、実験での観測方法の提案を行った。本結果はPhysical Review A Letter誌で出版された。
また、近年注目を集めているRydberg原子を用いた量子シミュレーターでの量子多体傷跡状態の研究も行なった。Rydberg原子とはアルカリ原子などの原子の最外殻電子を高い主量子数の状態に励起したものであり、これを利用した量子シミュレーション、量子コンピューターの研究が盛んに行われている。本研究ではRydberg原子系でDzyaloshinskii-Moriya(DM)相互作用と呼ばれる相互作用を有する量子スピン系の実験的実現方法を提案した。また、その特別な場合として実現するDM相互作用項とZeeman項のみからなるハミルトニアン(DH模型と呼ばれる)で量子多体傷跡状態が存在することを厳密に証明した。加えて、DH模型で漸近的量子多体傷跡状態と呼ばれる熱力学極限で緩和時間が無限大に発散するような状態を解析的に構成した。本結果は現在投稿中である。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(22 results)