2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of an eruption rate estimation method for understanding of slow-to-fast phenomena of eruptions
Publicly Offered Research
Project Area | Science of Slow to Fast Earthquakes |
Project/Area Number |
22H05304
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中道 治久 京都大学, 防災研究所, 准教授 (00420373)
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Project Period (FY) |
2022-06-16 – 2024-03-31
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Keywords | 爆発地震 / 桜島 / 超長周期帯 / 波形インバージョン / 速度構造 / 地形効果 / メカニズム解 / 震源時間関数 |
Outline of Annual Research Achievements |
爆発地震は、爆発的な噴火に伴って発生する地震で、様々な火山で観測されている。桜島では爆発地震が多く観測されており、地震波形の解析から震源位置およびメカニズム解が推定されてきた。地震波形は地下構造の影響を受けるが、周期数秒より長い周期の地震波は地下構造の影響を受けにくいため、波形インバージョン解析が行われてきた。既往の解析で用いられてきたグリーン関数は水平成層構造を仮定して計算されていており、桜島の爆発地震は地下深さ数キロに推定されている。人工地震探査にて桜島では詳細な速度構造が得られており、グリーン関数の計算に考慮することが出来る。また、地形効果も考慮したグリーン関数の計算を行った。そして、2022年7月24日20時5分に発生した爆発地震の波形インバージョン解析を行った。この時の噴火では火口から2.4 kmを超えて噴石が飛散したことが分かっている。10箇所の広帯域地震計について、周期4秒から15秒の帯域のバンドパスフィルターを波形に施して波形インバージョン解析を行った。その結果、震源位置は噴火が発生した南岳山頂火口の火口底から下に200 mの位置に推定され、この位置は既往研究による震源位置よりも有意に浅い。推定されたメカニズムは水平の開口亀裂が主で、鉛直の開口亀裂がその5分の1のモーメントで説明出来ることが分かった。そして、得られた震源時間関数は、最初に収縮がおこり、その後に膨張に変化したことがわかった。これは収縮後にマグマ中の揮発性成分の泡が膨張して圧力を回復する気泡成長モデルで説明可能である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
波形インバージョン解析に耐えうる波形を取得でき、そして解析を行うことが出来たため。
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Strategy for Future Research Activity |
複数の爆発地震の波形インバージョン解析を行うため、広帯域地震観測網が充実している期間における爆発地震から解析イベント選別を進めていき、解析に耐えうる地震の解析を行う。
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