2022 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of the transition between slow and fast earthquakes based on the BK model and the interaction among heat, fluid pressure, and porosity
Publicly Offered Research
Project Area | Science of Slow to Fast Earthquakes |
Project/Area Number |
22H05309
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
鈴木 岳人 青山学院大学, 理工学部, 助教 (10451874)
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Project Period (FY) |
2022-06-16 – 2024-03-31
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Keywords | ゆっくり地震 / 高速地震 / 熱・流体・空隙相互作用 / バネ・ブロックモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
バネ・ブロックモデルに熱・流体・空隙相互作用を取り入れ、ブロックに対するエネルギーバランスを考えることにより、ゆっくり地震と高速地震の違いが1次相転移としての数学的構造を持つことが理解できた。また数値的に両地震を再現し、特にゆっくり地震と高速地震を共に複数回引き起こすことも可能になりつつある。これは例えば両地震の規模別頻度分布の理解にもつながる重要な成果である。 その中で、パラメータの多いモデルであるため、何が最も重要なものなのか見出す必要があったというのが本年度重要なテーマであった。特に空隙率変化に関わるパラメータについて着目した。空隙率は動的滑り時に増加し、静止時に減少する。すると空隙の出来易さを特徴付けるパラメータα0と空隙の塞がり易さを特徴付けるパラメータα1というものを考える必要が出て来る。そしてこれらの値は本研究の中でも結果に大きな影響を与えるものとなっている。どちらも天然断層に対して見積もり辛い物理量であり、幅広い範囲の値を仮定する必要があるからである。ある程度の試行錯誤の上で、系がもっともらしい振る舞いをする値の範囲を概ね見積もることができた。 ここでは空隙の生成・塞がりに関するパラメータを考えたが、これらの他にも例えば空隙率がどこまで増加できるかという上限など重要なものがある。こういったパラメータも統一的に取り入れ、系の振る舞いを支配する無次元数の導出ができれば有力な成果となる。この点は今後の課題となろう。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ゆっくり・高速地震遷移の数学的理解が完成したからである。そして数値計算も始めているため、順調に進展していると言える。パラメータの範囲の大まかな見積もりもできてきた。
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Strategy for Future Research Activity |
上述の通りパラメータが多いので計算結果を整理するのが今後の課題である。解析的に進められると良いと考えている。
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