2023 Fiscal Year Annual Research Report
Slow to Fastすべり再現実験からスロー地震と巨大地震の関連性を探る
Publicly Offered Research
Project Area | Science of Slow to Fast Earthquakes |
Project/Area Number |
22H05319
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
廣瀬 丈洋 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 超先鋭研究開発部門(高知コア研究所), 研究所長 (40470124)
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Project Period (FY) |
2022-06-16 – 2024-03-31
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Keywords | スロー地震 / 断層 / 間隙流体 |
Outline of Annual Research Achievements |
自然界の地震断層は、すべり出すか出さないかといった臨界状態で静止している。そのような断層の内部に存在する間隙流体の圧力の変動が、地震波を放出しないゆっくりとした変形から大きな揺れを伴う高速断層すべりに至る多様な地震が発生する要因の1つであると考えられている。本研究では、回転式低~高速摩擦試験機に応力・水圧制御機構を導入して自然界の地震断層の臨界状態を再現し、その臨界状態で間隙水圧を上昇・変動させることによって断層すべりを自発的に発生させ、その時のすべり速度の変化を検出する実験研究を実施した。 実験には地震断層の模擬ガウジ試料として粒径100μm程度の石英砂を用いた。まず、模擬試料を剪断させるトルク値を10Nm、垂直応力を5MPaに一定に制御した状態をつくり、その後、水圧を0.4MPaからステップ状に上昇させる応力・水圧制御実験をおこなった。実験の結果、水圧が0.8MPaに到達してから約50秒後にすべりが加速することがわかった。臨界状態で静止していた断層が水圧の変動によってすべりはじめ、すべりが加速する現象を再現することに成功した。ただし、一定のトルク値に制御をしているにもかかわらず、すべりの加速に伴って約15%トルクが減少してしまうこと、またすべりが加速する直前にゆっくりとしたすべりが発生しているのかを分解能の高いすべり変位計測機で確認することができなかった。トルク制御機構のさらなる改良と、初年度に予察的に導入した超精密電磁誘導式エンコーダーを応力・水圧制御実験にも適応できるようにすることが今後の課題として明らかとなった。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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