2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development and Research for understanding time-spational transition of slow slip process with high accuracy
Publicly Offered Research
Project Area | Science of Slow to Fast Earthquakes |
Project/Area Number |
22H05323
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
町田 祐弥 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海域地震火山部門(地震津波予測研究開発センター), 副主任研究員 (10770670)
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Project Period (FY) |
2022-06-16 – 2024-03-31
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Keywords | 分布型光ファイバ歪計 / ボアホール歪計 / 光ファイバセンシング技術 / 南海トラフ / スロースリップ / ボアホール |
Outline of Annual Research Achievements |
南海トラフで発生するスロースリップを捉える観測帯域での計測精度高度化を図ることを目的とし、陸域のボアホール観測点において分布型光ファイバ歪計の設置・計測のための技術開発を行った。 分布型光ファイバ歪計は深さ250から500mのボアホール観測点に光ファイバセンシングケーブルを設置し、周囲の岩盤の歪変化を光ファイバセンシング技術を用いて高精度で計測するものである。ボアホール内ではケーシング管に沿って孔内光ファイバセンシングケーブルを同時設置することで、ボアホールの底部で計測を行う産総研のボアホール歪計と並行して歪計測が実施できるものである。特に孔底に近い部分では孔内光ファイバセンシングケーブルをケーシング管にらせん状に巻き、ボアホール歪計近傍での感度向上を図る仕様とすることを検討している。これによりボアホール歪計の計測精度向上のための水理的なノイズを効果的に計測できることや、分布型光ファイバ歪計の較正を効率的に実施できることが期待できる。さらには分布型光ファイバ歪計の設置手法や観測点での機器の配置について検討を行った。設置については、通常のボアホール観測点の構築に要する時間と大きく変わらない時間で実施できることを確認した他、設置中にはケーシング管に沿わせる孔内光ファイバセンシングケーブルが孔壁と擦れることが大きく懸念されるため、擦れに対する対策に関する技術検討を実施した。これはケーシング管にセントラライザを取付け、ケーシング降下中にケーブルが孔壁に擦れない機能を持たせる対策を行う他、孔内光ファイバセンシングケーブル側についても孔壁との間の擦れや潰れに対して強い仕様とするなどの検討を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は分布型光ファイバ歪計の陸域のボアホール観測点への設置方法、および孔内光ファイバセンシングの仕様検討を実施した。分布型光ファイバ歪計は250m級ボアホールを候補とし、ケーシング管に孔内光ファイバセンシングケーブルを沿わせて孔内に設置する手法とし、孔底部の10-20m区間においては光ファイバセンシングケーブルをらせん状にケーシング管に取り付け、感度の向上を図ることを検討している。ケーシング管をボアホール内で降下させる際には孔壁との擦れなどにより孔内センシングケーブルが潰れることが想定されるため、設置後にも確実に計測ができるようにケーシング管にセントラライザを取り付けるなどの対策を行う他、孔内光ファイバセンシングケーブルについても擦れ、潰れに強い仕様となるように検討を行っている。当初の計画には2022年度中に分布型光ファイバ歪計の設置、計測開始となっているが、分布型光ファイバ歪計に適した250m級のボアホール観測点での設置検討に関して時間を要しているため、本年度は設置方法の検討や孔内光ファイバセンシングケーブルの仕様検討を行う時間に費やした。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度には孔内光ファイバセンシングケーブルの仕様を定め、開発・製造を進め、製造された孔内光ファイバセンシングケーブルの特性を評価するため、実験室での歪/温度測定を実施する。合わせて孔内光ファイバセンシングケーブルのケーシング管への取付け方法の確認、および陸域の掘削孔内への設置方法について引き続き検討を行い、陸域掘削孔への設置準備を進める。
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