2022 Fiscal Year Annual Research Report
量子化学計算と機械学習の組み合わせによる不斉C-H官能基化触媒の深化
Publicly Offered Research
Project Area | Digitalization-driven Transformative Organic Synthesis (Digi-TOS) |
Project/Area Number |
22H05327
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉野 達彦 北海道大学, 薬学研究院, 准教授 (50756179)
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Project Period (FY) |
2022-06-16 – 2024-03-31
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Keywords | ロジウム / キラルカルボン酸 / キラルピリドン / 不斉触媒 / 量子化学計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
キラル配位子のin silicoスクリーニングをおこなうためのスクリプトの開発とテストをおこなった。各エナンチオマーを与えるモデル遷移状態構造と、別途作成したキラル配位子の構造を、ユーザーのインプットに従って適切にマージし初期構造を作成、それをもとに配座探索とエネルギー計算を連続的におこなう手続きを自動化した。またエネルギー精度向上のため、各構造について半経験的レベルでの振動計算による熱力学補正値の算出も組み込んだ。以上をMPI並列化することで、クラスタ・スーパーコンピュータ環境で効率よく大規模に計算できる環境を構築した。これを用いて種々モデル系の計算やキラルカルボン酸の計算をおこなったが、一部の立体障害の大きな系で計算の結果が安定しないことが判明した。これは利用してる配座探索プログラムが、必要な配座を網羅的に出力できないこと、一部キラリティが計算中に反転してしまうことなどが原因として考えられた。そこで配座発生を1回だけでなく複数回実行し結果を統合する処理に変更し、さらに指定部分構造のキラリティの反転がおきた構造を除外する処理を組み込んだ。今後はこれをもちいて設計したキラルな触媒を幅広く探索していく。 一方で実験による検討では、キラルカルボン酸を用いた場合では反応性が不足することがわかったため、今後はキラルなピリドン類に絞って検討を行う予定である。既に一部合成検討をすすめているが、難航しているため、計算によるスクリーニングによって、より合成しやすい配位子の設計をおこないたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大規模に計算をおこなう環境やツールの準備は問題なく進んだ。実験はやや遅れてはいるが、想定内である。
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Strategy for Future Research Activity |
キラルピリドン類のin silico スクリーニングを大規模に進めつつ、合成検討を進める。また金属上の配位子についても、その影響を検討していく予定である。
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Research Products
(6 results)