2022 Fiscal Year Annual Research Report
AI支援による古典的有機光反応の深化を基盤とする革新的分子変換反応の開発
Publicly Offered Research
Project Area | Digitalization-driven Transformative Organic Synthesis (Digi-TOS) |
Project/Area Number |
22H05348
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
鷹谷 絢 東京工業大学, 理学院, 准教授 (60401535)
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Project Period (FY) |
2022-06-16 – 2024-03-31
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Keywords | 有機合成化学 |
Outline of Annual Research Achievements |
ピバロフェノン誘導体とピナコールボラン(HBpin)に対して,365 nmの光照射かつ加熱条件下でロジウム触媒を作用させると,アリールボロン酸エステルが高収率で得られることを見出した。本反応には光照射とロジウム触媒の両方が必須であり,また様々なピバロフェノン誘導体に対して適用することができることを明らかとした。本反応は,ケトンを基質(アリール源)として用い,そのアシル基炭素-炭素結合を直接切断して,分子間アリール化を実現した世界初の例として意義深い。また,TEMPO存在下で反応を行うとロジウム触媒の有無に関わらず安息香酸エステル誘導体A が生成すること,ならびに反応系中で2-メチルブテンと2-メチルプロパンが共生することを確認した。これにより本反応が,直接光励起されたケトンが炭素-炭素結合の均等開裂を起こすことでアシルラジカルを生じ(Norrish Type I 反応),これがロジウム触媒により脱カルボニル/ホウ素化されることで進行していることを明らかとした。これは,古典的な有機光反応であるNorrish Type I 反応と遷移金属触媒反応を融合した新しい反応制御法として大きな意義をもつ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述したように,古典的な有機光反応であるNorrish Type I 反応と遷移金属触媒反応を融合した新しい反応制御法を開発し,今までに例のないケトンの炭素ー炭素結合変換反応を実現することができたから。またその成果を論文として発表することができたから。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の知見に基づき,領域内共同研究による反応機構解明,ホウ素化以外の官能基化や炭素-炭素結合形成反応,分子内水素引き抜き反応による遠隔位炭素-水素結合変換反応など,様々な反応へと展開する。
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Research Products
(8 results)