2023 Fiscal Year Annual Research Report
プログラマブル触媒の創製で拓くC-H結合アミノ化反応のDX
Publicly Offered Research
Project Area | Digitalization-driven Transformative Organic Synthesis (Digi-TOS) |
Project/Area Number |
22H05383
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Research Institution | Microbial Chemistry Research Foundation |
Principal Investigator |
野田 秀俊 公益財団法人微生物化学研究会, 微生物化学研究所, 主席研究員 (40771738)
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Project Period (FY) |
2022-06-16 – 2024-03-31
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Keywords | ナイトレン / 配座制御 / 位置選択性 |
Outline of Annual Research Achievements |
炭素-水素結合の触媒的官能基化は,複雑分子を直接修飾することで多様な誘導体の迅速供給を可能としうる。高い反応性と安定性を兼ね備えた触媒Rh2(esp)2の開発はナイトレン化学における金字塔であるが,多くの反応例においてその選択性は中程度に留まっている。本研究では触媒の動的配座変換が低選択性の主因であるという仮説に基づき,錯体の配座を固定した新規触媒群の創出を目指している。 2023年度は前年度に設計・合成した配座が固定された錯体群に関し,さらなる検討を行った。X線結晶構造解析結果から本錯体群では置換基の種類に応じて反応点近傍の立体環境が異なることが示されていたため,まずは立体的性質について調査した。DFT計算により得られた構造を用いてロジウム近傍の立体因子を可視化したところ,柔軟な立体配座を有する親化合物と比べて新規錯体群は立体的に顕著に込み入った反応場を提供していた。これは埋没面積%Vburの値によって定量的にも示された。4-tBu-C6H4置換のsyn配座の錯体では計算構造とX線構造の間で大きな齟齬が見られた。両構造を詳細に比較したところ,計算構造では置換基間の分子内相互作用が見られたのに対し,固体構造では分子間相互作用が見られた。実際の触媒条件下では低濃度ゆえに分子間相互作用形成は難しいと想定されるため,計算構造が溶液構造に近いと判断した。 立体的因子とは異なり,CVやIR測定の結果から新規錯体群とRh2(esp)2の電子的性質は類似しており,高い反応性を維持していると期待された。そこで新規錯体群を種々のナイトレン移動反応へと適用し,その触媒としての力量を評価した。配座を制御した触媒群は,未制御の対照群と比較して,1)分子内位置選択的アミノ化,2)分子内ジアステレオ選択的アミノ化,3)分子間位置選択的アミノ化,の3つの反応系全てにおいて高い選択性を示した。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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