2023 Fiscal Year Annual Research Report
二分子膜型ポリマーベシクルの融合・分裂制御による多段階ナノリアクターの創製
Publicly Offered Research
Project Area | Bottom-up creation of cell-free molecular systems: surpassing nature |
Project/Area Number |
22H05394
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
森本 展行 島根大学, 学術研究院機能強化推進学系, 教授 (00313263)
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Project Period (FY) |
2022-09-30 – 2024-03-31
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Keywords | テレケリックポリマー / ポリマーベシクル |
Outline of Annual Research Achievements |
フェムトリットル反応空間の効率的な融合・分離操作技術の開発を目指し、両末端にジアシルグリセロールをもつポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)からなるポリマーを調製し、その下限臨界共溶温度(LCST)型の熱応答性を利用してポリマーベシクル間の融合・解離を報告してきた。より高い融合後の安定化や汎用性を付与するため、このポリマーを二分子膜上に含有したジャイアントリポソーム(p-GUV)間の融合制御を試みた。W/Oエマルションからの界面通過法を用い、リン脂質に対するポリマー組成を1mol%以下とすることで蛍光色素を内包したp-GUVが調製できた。このp-GUV含有溶液をポリマーのLCSTおよびDPPCの相転移温度以上まで加温するとp-GUV間が接触した像が得られた。冷却してもp-GUV間が分離しないことから、ポリマー鎖が両ベシクル間にて相互作用していると考えられた。このため脂質組成の異なるベシクルについても検討し、DPPC/DOPC/コレステロールの室温から体温付近では相分離構造を示す組成において、さらにp-GUV中のポリマー組成を0.1mol%以下、ポリマーを低分子量化(Mn = 10,000)することで、熱刺激によるp-GUV間の融合を惹起しえることを見出した。ポリマー脂質のアルキル鎖長を変化させても挙動に大きな変化は確認されないことから、ポリマーの低分子化による温度感受性の増加とともに、相分離構造を形成するリン脂質の表面への露出がリポソーム間の融合に寄与していると考えられた。今後より詳細な組成、またベシクルサイズなどの検討からp-GUVの融合効率の向上を試みることで、p-GUVに内包した物質の混合と反応制御を試み、高速微量反応・精製を可能とするナノリアクターへと展開していく。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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