2023 Fiscal Year Annual Research Report
人工金属酵素の実験室進化を実現する無細胞分子システムのボトムアップ構築
Publicly Offered Research
Project Area | Bottom-up creation of cell-free molecular systems: surpassing nature |
Project/Area Number |
22H05421
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
加藤 俊介 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教 (60909125)
|
Project Period (FY) |
2022-06-16 – 2024-03-31
|
Keywords | 人工金属酵素 / 進化分子工学 / 無細胞分子システム / C-H結合官能基化 / 生体触媒 / ヘムタンパク質 / 指向性進化法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、高難度な不活性 C-H 結合の位置選択的官能基化をめざし、無細胞分子システムを活用した新規金属触媒をボトムアップ構築することを目的とする。具体的には、非天然の遷移金属錯体を補因子としてタンパク質に導入した「人工金属酵素」を構築し、無細胞条件下での指向性進化法を駆使した遺伝子工学的な改変を実施する。2023年度は、鉄コロール錯体を補因子としてミオグロビンに導入した人工金属酵素を構築し、指向性進化法によるタンパク質反応場の改変を実施することで、ABTSの酸化反応に対して高いペルオキシダーゼ活性を示す変異体を獲得することに成功した。この得られた変異体は、改変前の人工金属酵素と比較して、24倍高い反応初速度を示すことが判明した。また加えて、鉄ポルフィリン錯体を補因子としてミオグロビンに導入した人工金属酵素についても、遺伝子工学的改変を実施し、アルドキシムの脱水反応に対する触媒活性を向上させることに成功している。さらに2023年度には、本学術変革領域内の共同研究により、効率的な人工金属酵素の指向性進化を実現するために、オリゴペプチド(Strep-tag II)を精製タグに用いた新たな無細胞分子スクリーニング手法を確立した(S. Kato et al. Angew. Chem. Int. Ed. 2023, 62, e20230376)。本手法は、安価なキチン粉末をクロマトグラフィー担体として用いて、人工金属酵素の指向性進化を細胞夾雑物非存在下で実現する強力な手法である。今後、この手法を最大限に活用し、進化分子工学による高機能金属酵素の開発に着手する。
|
Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
|