2023 Fiscal Year Annual Research Report
合成ハイドロゲルを材料基盤としたシグナル伝達システムの構築
Publicly Offered Research
Project Area | Bottom-up creation of cell-free molecular systems: surpassing nature |
Project/Area Number |
22H05422
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
仲本 正彦 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教 (30883003)
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Project Period (FY) |
2022-06-16 – 2024-03-31
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Keywords | 刺激応答性ハイドロゲル / 酵素 / 分子認識 / 非平衡 / 過渡的応答 / 生体模倣 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では栄養摂取、代謝、そして老廃物排泄により維持される生体から着想を得て、生体高分子を燃料として、過渡的な構造変化および物性変化を生じるハイドロゲル材料を実証し、その設計原理を体系化することを目的とした。具体的には燃料としてカチオン性の酵素であるリゾチームをモデルとして用い、2-Hydroxypropyl methacrylamideおよび架橋剤としてN,N'-methylenebismethacrylamideからなるハイドロゲルを母体として、負電荷モノマー(methacrylic acid)およびタンパク質分解酵素モノマー(acrylated trypsin)を導入することで、リゾチームに対する親和性および分解性を有するハイドロゲルを作製した。本ハイドロゲルはリゾチームの添加に応答した過渡的な体積変動を生じることがわかった。また、過渡的な体積変化応答に際して、燃料リゾチームの摂取、分解およびリゾチーム酵素活性の消失が生じることも明らかとなった。更に過渡的な体積収縮挙動によって、ハイドロゲルの機械的強度が一時的に増加することも明らかとなった。以上のように、生理学的に活性な酵素を化学燃料として材料の過渡的体積変動および機械的強度変化に変換するハイドロゲルを開発した。更に、ハイドロゲルが有する2種の素機能(親和性・分解能)からなる閉回路モデルを用いて、リゾチームに応答したハイドロゲルの過渡的応答の設計原理を体系化した。本研究課題で明らかにした複数要素からなる人工材料のボトムアップエンジニアリングによる分子システムは、人工散逸システム設計に基づき生物学的プロセスにダイナミックに介入する人工材料に向けた革新的な設計概念となり、疾患を始めとする重要な生命現象の制御や、酵素反応のカスケード化による診断、検出デバイスなどへの応用が期待される。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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