2022 Fiscal Year Annual Research Report
van der Waals heterostructure devices based on two-dimensional correlated oxides
Publicly Offered Research
Project Area | Science of 2.5 Dimensional Materials: Paradigm Shift of Materials Science Toward Future Social Innovation |
Project/Area Number |
22H05472
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
山本 真人 関西大学, システム理工学部, 准教授 (00748717)
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Project Period (FY) |
2022-06-16 – 2024-03-31
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Keywords | 二次元材料 / 強相関酸化物 / ファンデルワールスヘテロ構造 / 複数励起子生成 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、1T型の結晶構造を有する二セレン化バナジウム(VSe2)を酸化させることで強相関性を示す二酸化バナジウム(VO2)超薄膜を転写可能な形で合成し、二次元物質とのファンデルワールスヘテロ構造デバイスへと応用することを試みた。しかし、VSe2を大気酸化させるとアモルファスのバナジウム酸化物が形成し、一方、VSe2のオゾン酸化によっては5酸化バナジウムが形成することが分かり、VSe2の酸化によるVO2超薄膜の合成には至らなかった。 そこで、本研究では転写可能なVO2を形成するために、アモルファス二酸化シリコン(SiO2)基板上で化学気相(CVD)成長を行った。その結果、原料となるVO2粉末に面して基板を置きCVD成長を行うと、基板上に高密度に単結晶VO2フレークが形成することを明らかにした。作成したVO2フレークの抵抗値-温度特性を新たに導入したサーモチャックとプローバーを用いて調べたところ、通常のVO2より高い相転移温度を示すことが分かった。そこで、領域内共同研究によりVO2フレークのラマン分光特性の温度依存性を調べたところ、VO2フレークは基板との熱膨張率の差により歪みが加わり、その結果相転移温度が高い結晶構造が安定化していることが分かった。さらに、このVO2フレークは粘弾性ポリマーを用いることで基板から剥離し、別基板上へと転写できることも分かった。 今後は以上の結果に基づき、CVD合成によって得られたVO2フレークと二次元物質をファンデルワールスヘテロ構造化させ、光デバイスへの応用を試みる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初目指していた方法でVO2超薄膜を得ることはできなかったものの、最終的に転写可能なVO2フレークを形成することに成功したため。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、CVD合成したVO2フレークと二次元半導体をファンデルワールスヘテロ構造化し、そこでの発光特性を評価することで複数励起子生成の可能性を探る。また、VO2/二次元半導体ファンデルワールスヘテロ構造を用いてデバイスを作製し、VO2の強相関性に由来する光起電力の有無についても探求する。
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