2023 Fiscal Year Annual Research Report
構成細胞のスパイク統計特性に着目した適応機能の要素回路抽出法の開発
Publicly Offered Research
Project Area | Census-based biomechanism of circuit construction and transition for adaptive brain functions |
Project/Area Number |
22H05511
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
坪 泰宏 立命館大学, 情報理工学部, 准教授 (40384721)
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Project Period (FY) |
2022-06-16 – 2024-03-31
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Keywords | 神経回路 / スパイク統計 / 大規模神経活動データ / ヘテロジニティ |
Outline of Annual Research Achievements |
適応脳機能を担う脳神経回路から,その要素回路と要素ダイナミクスをあぶりだすことを目的とした本研究領域において,本研究では,高集積電極によって得られた大規模神経スパイクデータに対し相関解析を適用することで神経回路を同定し,ヘテロジニアスな機能的固有特性をもつ神経細胞が神経回路上でどのように 配置されるかを明らかにし,そのネットワークから生成される適応脳機能に関わる要素ダイナミクスを明らかにすることを目的とする.2023年度は,改善された解析手法の実用性の検証と,その解析手法による神経回路構造の推定,そして解析プラットフォームの構築を計画した.Neuropixels電極の開発チームが公開している齧歯類のデータを利用して,静的な複雑ネットワーク的性質の一部を同定する方法を改善し,その一部を公開した.2022年度に,大規模神経スパイクデータのスパイク相関関数においてカスプ構造が一般的にみられることを発見し,それがネットワーク構造を推定する際に引き起こす問題を回避する方法を開発したが,2023年度はさらに拡張してこのカスプ構造こそが,発火率変動の微分不可能性という新たな神経情報処理上の重要な性質を反映し,神経細胞の情報処理様式の多様性を表す指標に使える可能性を示した.そしてこの成果を論文にまとめた.さらに,筑波大学から提供されたサルの大脳皮質から得られた別のデータセットに適用し,この手法の有用性を確認した.また,結合係数行列を基にしてネットワーク配線を有向グラフとして記述し,このグラフの特性を解析するために,次数分布,平均ノード間距離,クラスター係数,再帰結合率,モチーフ構造分布など,複雑な神経ネットワークの構造を詳細に理解するプラットフォームを構築した.これらの構造を,いくつかの脳領野間で比較した.
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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