2022 Fiscal Year Annual Research Report
Chemogenetic dissection of the primate prefronto-subcortical pathways for adaptive behavior
Publicly Offered Research
Project Area | Census-based biomechanism of circuit construction and transition for adaptive brain functions |
Project/Area Number |
22H05521
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Research Institution | National Institutes for Quantum Science and Technology |
Principal Investigator |
小山 佳 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子医科学研究所 脳機能イメージング研究部, 主任研究員 (50615250)
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Project Period (FY) |
2022-06-16 – 2024-03-31
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Keywords | 先読み / 試行錯誤 / サル / 化学遺伝学 / rna-seq |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、サル前頭眼窩野と線条体・視床MD核を結ぶ2つの神経経路間の拮抗的な作用が、先読みと試行錯誤のいずれの戦略を用いるかの選択にかかわっているという仮説のもと、その拮抗の破綻が引き起こす適応回路遷移の生物学的基盤を、①申請者らが確立した化学遺伝学的手法を用いた霊長類脳における経路選択的機能阻害法、②生理学的記録法、③rna-seqによる遺伝子の網羅的発現解析法を活用することにより解き明かすことを目的とした。 本年度は、①経路選択的疎外法による異なる経路の各行動戦略における役割の行動学的検証をまず行った。具体的には、前頭眼窩野に人口受容体を導入したサルに先読みと試行錯誤のいずれかの戦略を用いる行動課題を課し、その際に投射先である線条体および視床MD核に人口受容体のアゴニストを投与することで、それぞれの経路の機能を遮断し、その影響を行動モデルを用いた手法などにより検証した。その結果、前者が試行錯誤的な戦略に、後者が先読み的な戦略にそれぞれ重要な役割を果たしていることが明らかにした。 また上記と並行し、②、③を進めるための基盤技術の確立を行った。具体的には、非侵襲的・かつ長期的に特定神経経路の機能操作を行うための、イメージング技術を活用したベクター導入技術の確立を行い、狙った神経経路に対し高確率・高効率で機能タンパク質(人口受容体)を特定の脳領域に投射している神経細胞群にのみ発現させることが可能になった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画①についてはほぼ完了し、論文を投稿する直前まで進行している。また②、③についても準備が進行し、おおむね順調に進展していると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、研究計画通り②、③の実験を遂行する。特に③に関しては、現在計画班との連携により、複数個体を対象とした解析の準備を進めており、予定通りの進行が見込まれる。
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