2022 Fiscal Year Annual Research Report
メゾ複雑体としてのシナプスの発達様式を統括的に理解するための深層学習による挑戦
Publicly Offered Research
Project Area | New cross-scale biology |
Project/Area Number |
22H05526
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
小金澤 紀子 群馬大学, 大学院医学系研究科, 助教 (90643114)
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Project Period (FY) |
2022-06-16 – 2024-03-31
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Keywords | シナプス微細形態 / 超解像STED顕微鏡 / 膨張顕微鏡法 / 自閉症スペクトラム障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳内の神経ネットワーク内で神経細胞間の情報を伝達する際にシナプス前部から神経伝達物質が放出されてシナプス後部に濃縮する神経伝達物質受容体に結合する。シナプスは100~500 nm程度の大きさの構造で、発達過程でシナプス形態がダイナミックに変化することから、発達中のシナプスはメゾ複雑体であると言える。シナプス形態がシナプス伝達に大きく影響することは明らかだが、脳内で発達中にどのように変化するかは不明な点が多い。シナプスの発達過程の異常が患者数の多い自閉症スペクトラム障害 (ASD) の発症につながると考えられているが、シナプス形態のどのような異常がASD発症につながるかは明らかになっていない。これまでに、シナプス形成の制御機構について超解像STED顕微鏡を駆使して研究してきた。一連の研究の過程で、発達中のシナプスの微細形態が多様であることを見出した。本研究では、超解像STED顕微鏡と膨張顕微鏡法を組み合わせて三次元で分解能が40 nm程度の超解像蛍光顕微鏡法を開発する。この顕微鏡法を駆使して多様なシナプス微細形態の画像データを得、膨大な数の画像データを深層学習で解析することで、これまで不明な点が多かったシナプスの発達様式を明らかにする。 これまでに、超解像STED顕微鏡と膨張顕微鏡法を組み合わせて三次元で分解能が40 nm程度の超解像蛍光顕微鏡法の開発を進めてきた。シナプス前部と後部のマーカーを用いて条件検討を進めており、ほぼ最適化が完了したところである。また、シナプスの画像データを解析する目的でAI画像解析ソフトウエアを導入し、解析法の改良を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
膨張顕微鏡法と2D-STED顕微鏡を組み合わせて高解像度が得られる2D-ExSTED顕微鏡法を確立した。シナプス前部と後部のマーカーを用いてシナプス微細形態を検出し、その解析について計測班との共同研究を進めているところである。さらに、膨張顕微鏡法と3D-STED顕微鏡を組み合わせて三次元で高解像度が得られる3D-ExSTED顕微鏡法も確立を進めている。膨張顕微鏡法は様々な種類が報告されており、現在、最適な手法の最終確認中である。三次元のデータを解析するためにAI画像解析ソフトウエアを導入し、シナプスの微細形態についての解析も進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
2D-ExSTED顕微鏡法による画像データの解析について、いくつかの変数に基づいて評価法を確立する。また、3D-ExSTED顕微鏡法も完成させる。これらの方法を各発達段階のマウスに適用し、シナプスの発達様式を明らかにする。加えてASDモデルマウスにも適用することでシナプス微細形態の異常検出を試みる。
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