2022 Fiscal Year Annual Research Report
メゾ複雑体が構築する脂質輸送場のクロススケール解析
Publicly Offered Research
Project Area | New cross-scale biology |
Project/Area Number |
22H05550
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Research Institution | Microbial Chemistry Research Foundation |
Principal Investigator |
的場 一晃 公益財団法人微生物化学研究会, 微生物化学研究所, 主任研究員 (60613792)
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Project Period (FY) |
2022-06-16 – 2024-03-31
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Keywords | 脂質輸送 / オートファジー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではオートファジー膜伸長時に小胞体と隔離膜のMembrane contact site (MCS)において形成されるオートファジー因子のメゾ複雑体の実体を明らかにし、メゾ複雑体がどのようにバルク脂質輸送を担っているのか、その作動原理を明らかにすることを目的とする。メゾ複雑体とは一過的に、複数のタンパク質などが集まっている場所であり、脂質輸送を担う因子群が集まることで脂質の大量高速輸送を可能にしているのではないかと考えている。計画の通り、クライオ電子線トモグラフィの手法を取り入れ、解析している。解析対象には酵母から精製したAtg9小胞を用いた。Atg9小胞はゴルジ体から出芽する小胞で、オートファジーの初期の膜成分になると考えられており、オートファジー膜伸長直前のタンパク質局在を解析することができる。実際に酵母からAtg9小胞がとれ、クライオ測定するためのサンプル調製を行なった。しかし、ネガティブ染色で確認できた小胞は、クライオグリッドのホール内にはほとんど観察されなかった。これはグリッドを調製するときに、ほとんどの小胞が、ろ紙に吸い取られてしまったからと思われる。クライオ凍結条件を検討した結果、ある条件では、グリッドホール内に小胞が観察された。この小胞には膜タンパク質と思われる粒子が膜上に局在している様子が観察された。今後、良好なクライオ試料を調製し、クライオ電子線トモグラフィ測定を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
クライオ電子顕微鏡解析に用いる試料の調製が難しく、凍結後の粒子数が少ないため。大量調製できるように精製工程を見直している。
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Strategy for Future Research Activity |
小胞を大量に精製するために、条件検討を行う。また、クライオトモグラフィだけでなく、単粒子解析も試みる。タンパク質相互作用解析に蛍光寿命顕微鏡を用いた分子間FRETを取り入れる。
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