2023 Fiscal Year Annual Research Report
硫化水素分子によるイオンチャネルの機能修飾機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Life Science Innovation Driven by Supersulfide Biology |
Project/Area Number |
22H05570
|
Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
川鍋 陽 香川大学, 医学部, 講師 (10707128)
|
Project Period (FY) |
2022-06-16 – 2024-03-31
|
Keywords | イオンチャネル / 電位依存性イオンチャネル / 電気生理学 / パッチクランプ / 硫化水素 / H2S |
Outline of Annual Research Achievements |
電位依存性カリウムチャネルKv7.2/7.3は、神経細胞における電気信号発生の分子基盤であり、生理的に重要な役割を担っている。近年、神経障害性疼痛における硫化水素H2Sの役割について研究が進んでいるが、H2Sの分子レベルでの標的がKv7.2/7.3であると提唱されている。本研究ではKv7.2/7.3に対するH2Sの作用を検証し、その機能修飾メカニズムの理解を目的としている。 前年度は、Kv7.2/7.3に関する効果を検証したが、本年度は他のKv7ファミリー, Kv7.4に対するH2Sの効果を検証した。Kv7.4は内耳に発現しており、聴覚機能に重要であることが知られているイオンチャネルである。Kv7.2/7.3の解析と同様に、哺乳類培養細胞CHOにKvを異種発現させ、電気生理学的手法(Whole-cell Clamp法)にて解析を実施した。測定の結果、Kv7.4においてもH2Sによる電流上昇が観測されたが、Kv7.2/7.3と異なり固定電位(-80mV)でのリーク電流が増大した。この電流は-150mVまで電位を下げても残っており、常時開状態の成分が出現したものと考えられる。また、電位依存性も検討したところ、閾値が負側にシフトしたことから、電位依存性の変化と常時開状態の2つの成分が電流上昇の原因であることが判明した。さらに、還元剤であるDTTで処理したところ、常時開状態成分の消失、電位依存性も戻ったため不可逆的な効果ではなく、H2S修飾による効果であることが明らかとなった。これらのH2Sによるチャネル電流への効果の違いからKv7.2/7.3および7.4では、H2Sの修飾部位が異なることが示唆された。
|
Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(5 results)