2023 Fiscal Year Annual Research Report
超硫黄分子代謝制御におけるグルタチオンペルオキシダーゼ4の機能と疾患への関与
Publicly Offered Research
Project Area | Life Science Innovation Driven by Supersulfide Biology |
Project/Area Number |
22H05575
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
幸村 知子 北里大学, 薬学部, 助教 (30337985)
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Project Period (FY) |
2022-06-16 – 2024-03-31
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Keywords | 超硫黄分子 / リポキシトーシス / フェロトーシス |
Outline of Annual Research Achievements |
超硫黄分子システインパースルフィドやグルタチオンパースルフィドが、フェロトーシスやリポキシトーシスで見られる脂質酸化依存的な細胞死に対して抑制効果を示すか、明らかにするため、RSL3によるフェロトーシスやタモキシフェン誘導型GPx4MEF細胞を用いたリポキシトーシスに対する超硫黄分子の作用について、超硫黄分子誘導剤であるNAC-S2を用いて解析した。その結果、フェロトーシスに対しては強い抑制効果を示したものの、リポキシトーシスに対しては部分的な抑制効果しか示さなかった。フェロトーシス誘導時の脂質酸化を脂質ラジカルプローブであるNBD-PENにより検証したところ、RSL3によって亢進した酸化脂質の蓄積がNAC-S2によって抑制されたことが明らかとなった。これより、脂質酸化を抑制することでフェロトーシスを抑制することを確かめた。さらにリポキシトーシスに対する効果を解析するため、当研究室で複数種類見出しているリポキシトーシス誘導剤を用い、同様にNAC-S2によって超硫黄分子の作用を確かめたところ、リポキシトーシス誘導剤の種類によって、抑制効果を示すものと抑制効果を示さないものに分かれることが明らかとなった。見出されているリポキシトーシス誘導剤では全て脂質酸化を介してリポキシトーシスを生じさせるため、超硫黄分子が抗酸化分子として働くのであれば全て抑制効果を示すはずである。つまりこれらの結果から、超硫黄分子が単なる抗酸化作用ではない効果を介してリポキシトーシスを部分的に制御する可能性を示している。 本研究により、超硫黄分子が脂質酸化依存的細胞死に対し、抑制効果を示す可能性を示した。さらにそれらは抗酸化作用のみならず、その他のメカニズムを介する可能性を見出した。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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