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2022 Fiscal Year Annual Research Report

非ドメイン領域が組み替えるカスパーゼ反応場と, その非細胞死性の機能

Publicly Offered Research

Project AreaBiology of Non-domain Biopolymer
Project/Area Number 22H05586
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

篠田 夏樹  東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 助教 (30838397)

Project Period (FY) 2022-06-16 – 2024-03-31
Keywordsカスパーゼ / アポトーシス / Dual FRETイメージング / Caspase-7 / 形質膜
Outline of Annual Research Achievements

本研究では, Caspase-7の5つのアイソフォームに着目し, 非ドメイン領域が組み替える反応場の解析を通して, 新規非細胞死性の生理機能の発見及び細胞を殺すことなく生理機能の発揮を可能とする分子基盤の解明を目指している. 2022年度は, カスパーゼの活性化をサブ細胞レベルで検出するための技術基盤を構築した. 具体的には種々の検討から, 2種類のカスパーゼ活性検出FRETプローブ (SCAT3, O-DEVD-FR) を同時に使用したDual FRETイメージングシステムを構築した. このシステムでは, 細胞内の特定の領域に配座したO-DEVD-FRによって細胞内の特定の領域のカスパーゼ活性を検出し, 細胞全体に配座したSCAT3によって細胞全体のカスパーゼ活性を検出する. それぞれの活性化度合いの変化を比較することで, 細胞内のいつどこでどのようにカスパーゼが活性化するかを検出することが可能となった. このシステムをヒト培養細胞であるHeLa細胞に適用し, アポトーシスを誘導した際のカスパーゼの活性化ダイナミクスをまず検討した. その結果, アポトーシス時には小胞体やミトコンドリアといったオルガネラでは細胞全体と比較して顕著な活性化ダイナミクスの変化が認められなかった. 対照的に, 形質膜では細胞全体に先立ってカスパーゼが活性化することを見出した. また, 形質膜での先立った活性化は, Caspase-7に依存することを見出した. 以上の結果は, 細胞内に区画化されたカスパーゼ「活性」の反応場の可視化に成功し, 少なくともアポトーシス時には細胞内において動的なカスパーゼ「活性」の反応場がたしかに存在することを発見したという点で極めて意義深い.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

2022年度は, カスパーゼの活性化をサブ細胞レベルで検出するための技術基盤を, Dual FRETイメージングシステムとして構築できた. また, 構築したシステムを用いて, 形質膜では細胞全体に先立ってカスパーゼが活性化することを発見した. すなわち, 少なくともアポトーシス時には細胞内において動的なカスパーゼ「活性」の反応場がたしかに存在することを発見できた. 研究開始当初に目指した新規非細胞死性の生理機能の発見には未だ至っていない. しかし, 今回発見したアポトーシス時の現象は自身の構築した独自技術に基づく極めて独自的かつ興味深い現象である. また, 研究開始当初に解析予定であった, Caspase-7の関与も既に見出した. 当該現象の解析から, 非ドメイン領域が組み替える反応場の解析を進めることで, 非ドメイン領域の重要性を検討することも十分に期待できる. 以上より, 研究開始当初には予期しなかった現象が発見できたことから, 当初の計画以上に進展していると結論した.

Strategy for Future Research Activity

2022年度は, 自身の構築した独自技術に基づき極めて独自的かつ興味深い現象である, 形質膜での細胞全体に先立ったカスパーゼの活性化を発見した. 一方で, 研究開始当初に目指した新規非細胞死性の生理機能の発見には未だ至っていない. そこで, 研究対象を非細胞死性のカスパーゼの活性化制御から細胞死性のカスパーゼの活性化制御に移し, Caspase-7の非ドメイン領域の重要性について検討する. 非ドメイン領域の関与も含めて, 形質膜で先立ったカスパーゼの活性化を駆動する分子機構を, Dual FRETシステムを用いて探索する. また, アポトーシス時に形質膜で生じる現象に着目し, このカスパーゼの活性化の生理的意義も探索する.

  • Research Products

    (7 results)

All 2022

All Presentation (7 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Presentation] Caspase and its proximal proteins define local activating platforms for non-lethal functions2022

    • Author(s)
      Natsuki Shinoda
    • Organizer
      The 2nd International Conference of Non-Lethal Roles of Cell Death Proteins
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] 細胞内局所的カスパーゼ活性解析に向けたDual FRETシステムの構築2022

    • Author(s)
      平雄介, 篠田夏樹, 三浦正幸
    • Organizer
      第30回 日本Cell Death学会学術集会
  • [Presentation] 生体膜に限局した非細胞死性カスパーゼ反応場の発見とその機能解析2022

    • Author(s)
      村本雅哉, 花輪望未, 篠田夏樹, 三浦正幸
    • Organizer
      第30回 日本Cell Death学会学術集会
  • [Presentation] ミトコンドリアマトリックスに存在するカスパーゼ活性の解析2022

    • Author(s)
      篠田夏樹, 三浦正幸
    • Organizer
      第74回 日本細胞生物学会大会
  • [Presentation] アポトーシスにおける細胞内局所的カスパーゼ活性の解析2022

    • Author(s)
      平雄介, 篠田夏樹, 三浦正幸
    • Organizer
      第74回 日本細胞生物学会大会
  • [Presentation] Proximal proteins define the caspase activation platform for non-apoptotic functions2022

    • Author(s)
      村本雅哉, 花輪望未, 篠田夏樹, 三浦正幸
    • Organizer
      第15回 日本ショウジョウバエ学会
  • [Presentation] 非細胞死性の機能の発揮を可能とするカスパーゼ反応場の解析2022

    • Author(s)
      篠田夏樹
    • Organizer
      第3回 細胞死コロキウム

URL: 

Published: 2024-12-25  

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