2022 Fiscal Year Annual Research Report
糖感知が細胞競合に果たす役割の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Understanding multicellular autonomy by competitive cell-cell communications |
Project/Area Number |
22H05638
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
佐野 浩子 久留米大学, 付置研究所, 講師 (90506908)
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Project Period (FY) |
2022-06-16 – 2024-03-31
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Keywords | 栄養感知 / グルコース / 細胞競合 / ショウジョウバエ / マウス |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞競合は細胞集団を均質化することにより組織の構造や機能を最適化する多細胞生命の自律性維持機構であるが、細胞競合に対する環境要因の影響についての知見は不十分である。特に、栄養状態は個体の置かれた状況や疾患により変動するため、栄養状態が細胞競合に及ぼす影響を理解することは、生命の自律性およびその破綻による疾患発症メカニズムの解明に重要である。本研究では、細胞競合の破綻に起因する疾患の代表例であるがんにおける、研究代表者が見出した新規グルコース感知システムであるポリオール経路の関与を検証する。 本年度は糖の過剰摂取によるRas, cskがん細胞の増殖および転移がポリオール経路の阻害により抑制されるかどうかを検証するために、ショウジョウバエ複眼原基にRas, csk, Sodh1, Sodh2変異をもつがん細胞クローンを作製するための系統の作製を試みた。Sodh1, Sodh2はポリオール経路の第二段階を制御するソルビトール脱水素酵素をコードし、Sodh1, Sodh2の二重変異によりポリオール経路を完全に遮断することができる。そこで、CRISPR/Cas9システムを用いて、csk変異を持つ第三染色体にSodh1, Sodh2変異の導入を試みたが、csk, Sodh1, Sodh2変異を同時に持つ系統は作製できなかった。そこで、代替としてcsk null変異の代わりにcsk RNAiを導入した系統、Sodh1, Sodh2変異の代わりにSodh1, Sodh2 RNAiを導入した系統を作製した。これらの系統を用いて、現在解析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
解析に必要なショウジョウバエ系統を作製し、解析の準備が整ったため、おおむね順調に進展していると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度作製したショウジョウバエ系統を用いて、糖の過剰摂取によるRas, cskがん細胞の増殖および転移がポリオール経路の阻害により抑制されるかどうかを検証する。抑制された場合、がん細胞を単離し、RNAseqを用いて遺伝子発現変動を網羅的に解析する。RNAseqにより同定された遺伝子のうち、興味深い機能を持つものについて変異体を作製し、機能解析を行う。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Nutrient responding peptide hormone CCHamide-2 consolidates appetitive memory.2022
Author(s)
*Yamagata, N., Imanishi, Y., Wu, Hongyang., Kondo, S., Sano, H., and Tanimoto, H.
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Journal Title
Frontiers in Behavioral Neuroscience
Volume: 16
Pages: 986064
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] Evolutionarily conserved functions of the polyol pathway in glucose sensing2022
Author(s)
Hiroko Sano*, Akira Nakamura, Mariko Yamane, Hitoshi Niwa, Takashi Nishimura, Kimi Araki, Kazumasa Takemoto, Kei-ichiro Ishiguro, Hiroki Aoki, Yuzuru Kato, and Masayasu Kojima
Organizer
第55回日本発生生物学会年会