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2022 Fiscal Year Annual Research Report

Defensive behavior of prey animals in a closed system: experimental approach using amphibian larvae

Publicly Offered Research

Project AreaHierarchical Bio-Navigation Integrating Cyber-Physical Space
Project/Area Number 22H05644
Research InstitutionHokkaido University

Principal Investigator

岸田 治  北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 准教授 (00545626)

Project Period (FY) 2022-06-16 – 2024-03-31
Keywords接触 / 逃避行動 / 個体間相互作用 / 移動 / 捕食者 / 被食者
Outline of Annual Research Achievements

本年度は,エゾサンショウウオ幼生の共食いにおける行動変異を水槽実験を行って分析した.孵化したばかりのエゾサンショウウオを低密度条件と高密度条件で1ヶ月間育て,その後,個体同士が近接あるいは接触した際の逃避行動を調べた.高密度条件では共食いが生じるため,個体の近接は,共食いされる機会と共食いする機会とみなすことができる.まず,それぞれの密度条件の水槽のなかでの行動を撮影し,個体の自然な動きを計測したところ,低密度条件に比べ高密度条件では,近接された個体の移動距離が短いことが明らかとなった.このことは個体が高密度条件に応じて逃避距離を調整していることを示唆するが,高密度条件では,他個体が物理的な障壁となることで移動距離が制限された可能性も残っている.そこで,それぞれの条件で育った個体を別水槽に移動し,一個体しかいない状況を作り出したあと,麻酔した個体を近づけ移動行動を計測した.その結果,密度条件間で逃避時間に違いはなかったが,逃避距離には違いがあり,高密度で育った個体ほど逃避距離が短いという結果になった.この傾向は大型化した個体では弱いこともわかった.エゾサンショウウオは,共食いが生じる条件で育つと,他個体が近接した際には遠くまで逃げないことが明らかとなったが,これは高密度条件では遠くまで逃避すると別の個体と遭遇して捕食されるリスクが高いからだと考えられる.更にこの仮説を検証するために,高密度条件において当飛距離が長いほど逃避行動後の別個体との遭遇率が高いかを調べたが,仮説を支持するパターンは得られなかった.このことは,高密度条件下で育った個体は,逃避距離を短くするだけではなく,別の個体を避けるように巧妙な逃避をしていることを示唆している.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

仮説検証型の実験を繰り返すことで,予定していた実験が成功した.想定外の結果も得られたが,新しい仮説が立ったことで次年度の研究につなげることができた.

Strategy for Future Research Activity

動画データの分析を自動化することで詳細な行動データを得ようとしたが,動画の質の低さから,使用したプログラムでは個体追跡ができなかった.撮影環境を整備し,個体以外が写り込まない動画を撮影するか,プログラムの高精度化が必要であり,共同研究者の助けを借りながら分析の自動化に向けて努力する.

  • Research Products

    (1 results)

All 2023

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] シカのヌタ場が両生類の繁殖に与える影響2023

    • Author(s)
      松浦なる, 岡宮久規, 八柳哲, 坂田雅之, 岸田治, 荒木仁志
    • Organizer
      日本生態学会第70回全国大会

URL: 

Published: 2023-12-25  

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