2023 Fiscal Year Annual Research Report
数学の群に基づく生物の群行動のデータ解析とメカニズム解明および工学応用
Publicly Offered Research
Project Area | Hierarchical Bio-Navigation Integrating Cyber-Physical Space |
Project/Area Number |
22H05655
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
櫻間 一徳 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (10377020)
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Project Period (FY) |
2022-06-16 – 2024-03-31
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Keywords | 群行動 / 群論 / モデリング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,生物の高度な群行動の発現メカニズムを包括的に理解できる数理モデルを構築するモデリング技術を開発することである.生物の行動データからこのようなモデルを構築することができれば,生物の階層ナビゲーションや意思決定などを含む様々な群行動の発現メカニズムを解明できるとともに,生物の機能を模した工学技術(避難誘導・車両やドローンの群制御など)にも活かすことができる. 昨年度に引き続き,データに基づいて生物の高度な群行動を説明できる,汎用的な数理モデルを構築するモデリング技術を開発した.特に本年度は,制御理論的な観点から,ニューラルネットワークによって安定性を保証するモデルの生成法を開発した.これは,データのない空間においても状態が発散しないことを保証するという意味で,生物の動作の事前知識を利用している.提案法で生成されるモデルには二つの特徴がある.一つ目は,生成されるモデルが分散的,つまり,モデルがグラフにおける近隣の相手にのみ依存するという群行動には欠かせない特徴である.二つ目は,平衡点が孤立点ではなく集合で与えることができることであり,これは相互作用によって収束先が変化するという複雑系の特徴を表した特徴である.一般的にこのように条件を加える毎にモデルの自由度が減ることで,モデルの表現力が落ちることが知られている.しかし,提案法では,非負関数の勾配に負定行列と歪対称行列の和を掛け合わせた新しいモデルを採用することで,表現力を向上させることに成功した.安定性を保証しながらこれらの二つの特徴を有するモデルは他に類を見ない,提案法のオリジナルである.さらに,数値例によって,これらの特徴を有しながら,群行動を表現できていることを示し,提案法の有効性を確認した.
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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