2022 Fiscal Year Annual Research Report
ジオラマ環境を用いたサンゴ共生藻と宿主との共生クロストークアルゴリズムの理解
Publicly Offered Research
Project Area | Advanced mechanics of cell behavior shapes formal algorithm of protozoan smartness awoken in giorama conditions. |
Project/Area Number |
22H05668
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
丸山 真一朗 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (50712296)
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Project Period (FY) |
2022-06-16 – 2024-03-31
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Keywords | 細胞内共生 / 共生藻類 / 行動 / 環境応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
微細藻類と宿主生物との細胞内共生は光共生とも呼ばれ、光合成産物のやりとりを介した共生関係により特徴づけられる。中でも、単細胞の海洋性渦鞭毛藻である褐虫藻は、サンゴなど刺胞動物と細胞内共生を営むことで、サンゴ礁生態系を支える一次生産者としても重要な生態学的役割を果たしていることで知られる。一方、共生微細藻類のどのような行動原理が共生の開始や成立に寄与しているのかを詳細に解析した研究は乏しい。本研究では、特に宿主体内の環境に着目し、共生藻が環境変化に応答してどのように行動を変化させるのか、それがどのように共生開始につながるのかを理解するため、観察系の構築を試みた。初めに、褐虫藻の水平移動の長時間観察と、鞭毛脱落や細胞分裂過程を可視化する系の構築を進めた。それと並行して、共生微細藻として知られるクロレラ類緑藻の観察も行い、共生可能な宿主細胞との接触と応答の過程を可視化する系の構築を行った。その結果、単一細胞レベルの観察に適した条件検討を行うことができた一方、藻類細胞の培養状態により生物活性のばらつきが大きく、観察の効率化が課題となったことから、藻類の前培養の過程から最適化を進める必要があると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
三次元的な藻類の行動観察系の構築について、技術的な制約から予定よりやや遅れているが、領域内外からの助言を受け、藻類の前培養の条件検討や他の藻類株の使用について検討を進めており、効率的な観察系の構築を多角的な面から改善しつつ引き続き進める。
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Strategy for Future Research Activity |
微細藻類の環境応答における動的な行動パターンの変化だけでなく、静的な性状変化についても詳細な解析を行うなど、以前の計画よりも幅広な表現型の解析を可能にするような観察系の構築を試みる。また、共生関係の背後にある相互作用をアルゴリズム的に理解するためのモデル化など枠組みづくりを進める。
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