2022 Fiscal Year Annual Research Report
鉛直環境における遊泳微細藻類の行動学
Publicly Offered Research
Project Area | Advanced mechanics of cell behavior shapes formal algorithm of protozoan smartness awoken in giorama conditions. |
Project/Area Number |
22H05689
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
鹿毛 あずさ 学習院大学, 理学部, 助教 (10748809)
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Project Period (FY) |
2022-06-16 – 2024-03-31
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Keywords | クラミドモナス / 水平顕微鏡 / 広視野顕微鏡 / 実体顕微鏡 / 教師なし機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、単細胞緑藻クラミドモナスを材料に、広視野観察系の確立と鉛直遊泳軌跡の分類手法の開発を行った。 従来、ミリメートル以下の視野で鉛直遊泳を記録していたが、より自然界に近い状態での運動を明らかにするため、より広視野での記録を行う必要があった。従来の水平顕微鏡よりも広い視野で観察するため、シグマ光機から発売されている広視野顕微鏡SeMATERASを水平・垂直切り替え機構付きにカスタマイズの上で導入し、組立を行った。一辺数ミリメートルの視野でクラミドモナスなど微細藻類の鉛直遊泳を記録できる系の確立に成功した。 鉛直遊泳の特徴を抽出するため、教師なし機械学習によるクラミドモナス鉛直遊泳軌跡の分類を試みた。軌跡同士の距離行列をdynamic time warping (DTW)法によって算出し、K-means法によってクラスタリングを行った。軌跡全体の方向(上向き・下向き等)によって分類される結果となり、例えば「直線的な軌跡」と「急激にカーブしている軌跡」などの特徴は現れなかった。適切な分類を行うためには、距離行列の算出方法のさらなる検討が必要であると考えられた。 さらに日周鉛直移動の個体レベルでの記録を目指し、原生生物の長時間観察の系を開発した。現在、ゾウリムシを用いて水平方向の長時間挙動を観察している。暗視野実体顕微鏡を用いているため、鉛直遊泳を記録するには多少のハードルがあるが、今後鉛直の系にも適用したいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
広視野観察系を確立できたため。軌跡の分類については検討の必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
(1) 赤潮藻シャットネラについて、広視野での鉛直遊泳の記録・解析を行う。 (2) 軌跡の分類、特に距離行列の算出方法について検討する。
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